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在宅勤務でのエンドユーザ体験

エンドユーザ体験監視とは?どのように役立つのか?

2022年1月28日
翻訳: 島田 麻里子

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事 What is End User Experience Monitoring? How Does It Help?の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


エンドユーザ体験監視とは

エンドユーザ体験の監視とは、考え方や哲学のことです。
ITは結果ではなく、目的を達成するための手段であることを認識することです。

なぜエンドユーザに焦点を当てることが現代のデジタル企業に不可欠なのか

エンドユーザ体験は、ユーザ・ジャーニーから始まります。
従業員のテクノロジーの使用方法は常に進化しているため、これは重要なことです。

私がソフトウェア開発者としてロンドンで最初の仕事を始めた頃は、オフィスに行き、デスクトップにログインして、決められた勤務時間内に限られたアプリケーションを使って仕事をしていました。
現在、私はスマートフォンとノートパソコンを使っています。
家でも、電車の中でも、オフィスでも、どんな場所からでもネットに接続し、必要なときに仕事ができます。

このような柔軟性は、エンドユーザ体験監視が、いつでも、どこでも、どんなデバイスからでも、自分のデータや多くのSaaSアプリケーションに常時アクセスできるようにしたいというユーザのニーズに焦点を当てているからこそ可能なのです。

エンドユーザ体験監視では、ユーザ・ジャーニーの全てのイベントに注目します。
私たちのアプリケーションとの付き合い方に影響を与える可能性のあるもの全てを分析します。
テクノロジーに左右されないものでなければなりません。

つまり、ノートパソコンでメールをチェックしていようが、スマホでチェックしていようが関係ないのです。
問題は、どこにいても必要なときにメールにアクセスできるのかということです。

エンドユーザである従業員の視点からデジタル体験を観察することで得られた洞察は、エンドユーザサービスチームが、どこでも仕事ができるという新しい世界で働くために必要なテクノロジーを提供し、サポートし、最適化するために使用されます。

エンドユーザ体験監視は、アプリケーションやネットワーク・パフォーマンス監視のような他の監視アプローチとどのように異なるのか

従来、IT部門は個々のシステムコンポーネントを監視していました。
最初はネットワーク(ネットワーク・パフォーマンス監視)から始まり、データセンターのサーバ(ITインフラ監視)、そしてアプリケーションコード(アプリケーション・パフォーマンス監視)へと変化していきました。
最近ではデバイス・パフォーマンス監視が登場し、エンドポイントが実際の従業員に最も近い存在であることを業界が認識するようになりました。
この方法は誤検出が発生しやすい傾向にありますが、例えばマシンのCPUが95%になったからといって、従業員に影響があるわけではありません。

さらに重要なことは、コンポーネント特有のソリューションの使用が、現在も多くの企業で存在する断片的な可視化環境を作り出していたことです。
よくあることですが、監視指標は、個々の技術レイヤーにおいては異常がなくても、従業員からは、これら全てのレイヤーを組み合わせても使い物にならないという不満の声が上がります。

そのため、IT部門はエンドユーザ体験の提供方法を改革しなければなりませんでした。
求められていたのは、全ての基盤となるITコンポーネントがエンドユーザに与える影響を集約、測定するソリューションでした。
つまり、技術に深入りする前に、ユーザに影響があるかどうかを確認しようというわけです。
エンドユーザ体験監視の誕生です。

エンドユーザ体験監視の様々な要素とは

エンドユーザ体験の監視戦略を成功させるには、3つの重要な要素があります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1. 盲点がない

ここで問題なのは、ITコンポーネントは常に進化しているということです。
インターネットが企業のネットワークに取って代わることが急速に進んでおり、データセンターやアプリケーションはクラウドに移行しています。
デバイスでもDesktop-as-a-Serviceによる変革が進んでいます。

この次世代ITインフラは、監視戦略の盲点を、スイスチーズの穴よりも多く生み出しています(チーズ大国に住むフランス人にとって、これはとても重要なことです)。
エンドユーザへの影響を正確に測定したい場合、適切なエンドユーザ体験監視のソリューションには、企業ITの管理下(企業ネットワークなど)にあるかそうではないのか(インターネット、SaaS、クラウドなど)に関わらず、デジタル・インフラ全体を完全に可視化することが不可欠です。

2. 総計的に見ること

ユーザ・ジャーニーから始めることが重要なだけでなく、全てのコンポーネントがエンドユーザ体験に与える影響を総計的に見て、測定することができなければなりません。

3. エンドユーザとの関わり

ITを中心としたエンドユーザ体験の考え方から移行している企業では、パズルの1ピースがまだ欠けていることが多いのです。
それはおそらく最も重要なもので、「エンドユーザ=従業員は自分の体験についてどう感じているのか?」ということです。

従業員は自分のノートパソコンに満足しているか?
新しいアプリケーションは、古いアプリケーションよりも使いやすいのか?
従業員の生活をより良くするために、IT部門ができることはあるのか?

それを知る方法はただひとつ、彼らに聞くことです。
エンドユーザである従業員と関わり、その感情を収集することは、対面ではなく画面上で対話するハイブリッドな職場では、これまで以上に重要になっています。

包括的なエンドユーザ体験監視のソリューションが包含する追加機能はあるのか

エンドユーザサービスの至高の目標は、ユーザに影響を与える前に問題を検出し、修正することです。
そのためには、エンドユーザ体験監視戦略には以下のような機能が必要です。

能動的なオブザーバビリティ

これは、ユーザがサービスを利用していないときでも、重要なITサービスが利用可能であるか、到達可能であるかを定期的にテストするものです。
その結果、IT部門は問題が検出されれば即座に先回りかつ先制して問題を解決し、ビジネスの混乱を最小限に抑えることができます。
能動的なオブザーバビリティがなければ、エンドユーザ体験監視戦略は先を見越したものにはなりません。

修復機能の自動化

IT部門は、アクティブな監視を利用して異常を検知するだけでなく、その情報を修復エンジンに送り、手動での介入による遅延、リスク、コストを伴わずに異常を修復することができます。
このような理由から、企業のIT部門が管理するあらゆるものに対して、自己修復の普及が進んでいます。
しかし、インターネットやSaaSアプリケーションに関しては、サービスプロバイダが自社のインフラを超えて、サービスの結果であるユーザ体験を監視できなければ、まだ困難です。

いつでも、どこでも、どんな作業をしていても、従業員に信頼性の高い体験を提供するためには、そろそろデバイスの先を見通す必要があります。
Catchpointは、エンドポイントからインターネットの迷路を越えて、サードパーティのSaaSやクラウドサービスに至るまで、エンドユーザの体験を統一的に提供することができます。

リモートワーカー向けにアプリのパフォーマンスを監視・トラブルシューティングする方法については、こちらをご覧ください。