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ウェビナーのまとめ ― デジタル体験オブザーバビリティとは?

2022年5月13日
翻訳: 島田 麻里子

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事 Webinar Recap - What is Digital Experience Observability?の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


デジタル体験オブザーバビリティとは何か? 監視(モニタリング)とはどう違うのか?

街行く人にとって、デジタル体験は手軽で簡単なものに見えます――ただし、あなたがその健全かつ継続的な運用を保証する責任を負っている場合は別です。

SRE、DevOps、および監視戦略家は、今日、サービスの生産と配信に関わる可動部品の数と全体的な複雑さの両方において、驚異的な増加に対処しています。
その結果、従来の監視の限界が明らかになりつつあります。
そこで、デジタル体験オブザーバビリティの登場です。

しかし、監視とオブザーバビリティとの違いは何でしょう。
また、実際にはどのようなものなのでしょうか。

Catchpointでは、デジタル体験オブザーバビリティを、ユーザのデジタル体験に悪影響を与える盲点をなくし、障害を防止するための手法と定義しています。
当社のオブザーバビリティ・プラットフォームは、デジタル配信チェーン全体から観測された遠隔測定データを予防的アクションに変換します。

Catchpointは先日、プリセールス・ソリューション・エンジニアリング部門チームリーダーであるザカリー・ヘンダーソンとプロダクト・マーケティング・ディレクターのレオ・バシリウを講師に迎え、デジタル体験のオブザーバビリティに関する2つのウェビナーを開催しました。
本記事では、そのポイントを紹介します。

第1部:進化する監視とオブザーバビリティで完璧なデジタル体験を実現する

このウェビナーでは、監視とオブザーバビリティの違い、つまり、進化するITランドスケープが、そもそもオブザーバビリティの必要性をどのように正当化しているのかに焦点を当てます。
また、企業はオブザーバビリティの利点を、アプリケーションやサービスの可用性を監視するだけでなく、クライアントまでの到達可能性にも拡大すべきであると強調しています。

なぜ監視の次のステップとしてオブザーバビリティなのか?

従来の監視の定義では「What」の部分を伝えるだけで「Why」のところまではわかりません。

監視サービスは、Webページ、BGPピア、DNSサーバなど、監視対象のメトリクスが赤、黄、緑のどれであるかを教えてくれるだけのものです。
単独では、メトリクスは、異なるコンポーネントがどのように連携しているかを示すことはできません。
また、データを使って何をすべきかという実用的な結論も得られないでしょう。

car

一方、オブザーバビリティは、プラットフォームが期待通りに動作していない原因を明らかにするものです。

例えるなら、車の運転を考えてみてください。
あなたは1ガロンあたりの平均走行距離が落ちていることに気づきました。
しかし、問題はどこからでも来る可能性があります――タイヤの空気圧、ドライブシャフト、あるいは単なるでこぼこ道など。

適切な診断ツールを持つ整備士は、排気ガス、出力、燃費など、車のデータに簡単にアクセスできます。
そうして初めて、何を直せばいいのかが分かるのです。

オブザーバビリティも同じような仕組みです。
エンドポイント、インフラ、プロトコル、アプリケーションを複雑に組み合わせて監視することで、デジタル資産の全体的な健全性とパフォーマンスに関する答えが得られます。
そうすることで、サービスに支障をきたすようなインシデントを事前に発見し、実行可能な緩和策を迅速に策定することができるようになります。

さて、この定義をもとに、アプリケーション以外からもオブザーバビリティの利点を得るには、どうすればよいでしょうか。

オブザーバビリティの定義を拡張してみよう

アプリケーションだけでなく、クライアントまでの到達性を監視するという考え方は、進化の梯子における次の段階と言えるでしょう。
エンドポイントデバイス、ロボット、リアルユーザのブラウザ、リアルユーザの感情から、デリバリーチェーンの盲点をなくす膨大な量のデータを得ることができるのです。
その結果、障害となる事象の頻度、期間、影響を減らすことができるようになります。

最後のステップは、従業員、顧客、デジタルクライアントが交差する場所でのトータルエクスペリエンスを管理することです。

ビジネスから顧客までのデリバリー・チェーン全体を測定することができたとき、ビジネスの成果を変えるような意味のある結論を出すことができるようになるのです。
レオ・バシリウ(プロダクト・マーケティング・ディレクター)

次に、この進化したコンセプトをCatchpointで実践することに焦点を当てます。
オンライン会議に参加しようとしたときにサービスのエラーメッセージが表示される…という一般的なシナリオを例に、Catchpointのツールを使ってエンドユーザの視点から体験を観察・測定します。
なぜエラーが発生したのか?何人が影響を受けているのか?誰のせいなのか?といったようなことをです。

(このウェビナーでは、Catchpointのエクスペリエンス・オブザーバビリティ・プラットフォームが実際に使われている様子をオンデマンドでご覧いただけます

第2部:未知なるユーザ・ジャーニー ― オブザーバビリティ体験はデジタルトランザクションの理解から生まれる

この2部構成のシリーズの第2のウェビナー「未知なるユーザ・ジャーニー ― オブザーバビリティ体験はデジタルトランザクションの理解から生まれる」では、現実世界における総合的な体験のオブザーバビリティ戦略の実施に焦点を当てます。

ザカリーによると、ユーザがサービスの入り口に到着する前に、サービスに影響を与えるアプリケーションの外側の全てを測定することは非常に重要であるということです。
つまり、自社ブランドとの最初のデジタル接点であるDNSから始めるのです。

その最初のインタラクションが遅いと、どうしても全体の体験に影響が出てしまいます。
そのため、自社ブランドのDNSインフラが世界中にどのように展開されているかを理解することが不可欠です。
人々がデータにアクセスしている実際の場所から測定するのが望ましいのです。

しかし、単にDNSの時間を監視することに陥ってはいけないとレオは指摘します。
記録の網目とその下にあるレベルの構成について、より深い観察をすることが重要です。
これらの洞察は、キャッシュポイズニングの警告や、IPが期待されるアドレスに解決されない場合の警告など、有意義なユースケースで使用することができます―これらはいずれも、単にDNS時間を監視するよりも関連性があります。

インターネット全体の観察が必要な理由

より高度な観測手法として、分散型ネットワークの監視、つまりインターネット全体の監視という考え方があります。
これには、宛先やサーバに向かう実際のTCPパケットのエンドツーエンド遅延や、エンドツーエンドパケットロスの測定が含まれます。

なぜこれがそんなに重要なのでしょうか?
もし、ネットワーク上の問題でユーザが接続できないのであれば、測定すべき体験はまったくありませんとザカリーは言います。

ウェビナーの最終パートでは、Time to First Byte(TTFB)データの分析におけるCatchpointのオブザーバビリティ機能について、実例を用いて説明します。
複雑なマイクロサービスアーキテクチャにおいて、エージェントベースのアプリケーション監視ツールが提供する受動的な統計情報を補完できるプロアクティブな洞察を、Catchpointがどのように提供するかを示しています。

2022年は、顧客体験と従業員体験の分水嶺となりそうです。
ガートナー社の「2021 Digital Business Acceleration Survey」によると、デジタル施策を進める2大原因は、顧客体験の向上(58%)と従業員の生産性向上(57%)であるといいます。
ウェビナーでは、Catchpointを使えば、トータル・エクスペリエンスのオブザーバビリティ戦略を導入することが、思ったほど困難でないことを示す実例をご覧いただけます。

ウェビナー全編をオンデマンドで視聴することで、総合的な体験観測プラットフォームを導入する方法を理解することができます。