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レポートの分析

SREレポート2023年:予想と現在の経済状況

2023年3月17日
翻訳: 島田 麻里子

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事The SRE Report 2023: Forecasts and the Current Economyの翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


今回のゲストブログは「SRE レポート2023」の寄稿者の一人であるNobl9社のSRE、Keri Melich氏が執筆しています。

(以下 ブログ記事本文)

テック業界や経済全体に疑問や課題が立ちはだかる今こそ、過去から学び、一歩を踏み出す絶好の機会です。
信頼性エンジニアとして、私たちは定期的にサービスレベル目標(SLO)を使って、システムの性能、信頼性、傾向を把握し、意思決定に役立てたり優先順位を決めたりしています。
よりマクロなレベルで、Catchpointが毎年発行している「SREレポート」は、現場の状況を知ることで、チームや経営陣の意思決定をより的確なものにするために役立っています。

今回は、このような業界動向をより深く理解し、現在の不安定な経済状況によってどのように変化するのかを考えてみましょう。

異変から学ぶ

全体として、次回のSREレポートでは、来たるべき2023年の労働年に見られるであろう、一度は解決したと思われていた問題が、緊迫した経営判断の結果として再び顕在化するという変化に伴い、私たちの洞察に大きな転換が生じると考えています。

What percent of your work, on average, is Toil?
2020年、2021年、2022年の自己申告によるToil(労苦)測定値を示す折れ線グラフ(Catchpoint/SREレポート)

ツールの乱立やToilに費やす時間といった課題は、最近、年々減少傾向にありましたが、予算の制約を満たすために、チームが内部構築や期間の制限なく無料で使えるツールに回帰することで、一気に上昇する可能性があります。
このような変則的なスパイクは、2023-2024年のSREレポートにおける次の調査結果を決定づけることになるでしょう。

このような予期される異変や、それがチームにどのような影響を与えるかを理解することは、最終的に信頼性実務者がより良い判断を下すことに繋がり、望ましくは、必然的なToilの増加といった異変から私たちを守ることにもなるでしょう。
そして、サービスを監視するときと同じように、こうした異変を認識・追跡することで(SREレポートのデータは非常に貴重です)事前にどれだけ準備できたかを振り返る効果的な回顧録をつける必要があります。

小規模なチームでは、コミュニケーションの実践を改善している

SREとして、2023年のSREレポートで指摘された重要な文化的転換を起こすか否かについて、私たちはユニークな立場にあります。
それは、毎年安定しているように見える一つの難点―コミュニケーションについて、私たち全員の役に立つはずです。
多くの人が何らかの形で会社の人員削減の重荷を背負っているわけですが、意外なところでは恐らく、チームが小さくなることで、お互いの絆が深まり、コミュニケーション能力が向上することが期待できるでしょう。

もし1年前に、部門間のコミュニケーションを改善するにはどうしたらいいかと聞かれたら、私は、チームまたは個人が、自分たちの仕事が顧客向けの製品にどのように影響するかという全体像を把握するのに役立つDevOpsツールがもっと必要だと答えていたでしょう。
それはとても便利で実行可能な選択肢だと思いますし、それを実現するオープンソースのツールも増えてきている一方、経済活動の下降という経験を経て、私たちはすでに多くのコミュニケーションをとっていることに気づきました。
危機的状況から始まったことが、むしろ停滞感から抜け出すきっかけになるのかもしれません。

また、失敗談や成功談を共有したり、聞いたりする場を設けることで、自分だけでは見つけられなかった障害を取り除くこともできるでしょう。
Learning from Incidents(LFI)SLOConf、そして今度のSREConなど、素晴らしいアイデアやその働きの事例を広めるためのカンファレンスやミートアップに注目してみてください。

年に一度の回顧録の価値

ある意味、2023年は私たちの業界の歴史の中で、ひとつの大きなインシデントと言えるでしょう。
来年のSREレポートの調査結果には異変が予想されるため、来年のアンケート(実施は6月頃を予定)に参加し、1年の終わりに振り返りを行うことで、私たち全員が恩恵を受けることができるのです。

毎年、同じような振り返りをすることで、社内の透明性を高め、コミュニケーションを深めることができます。
若手の個人事業主から経営者まで、誰もが貴重な意見を述べることができるはずです。

どんな出来事にも対処する最善の方法は、その過去、現在、未来に対する意識に集中することです。
2023年は、すでに多くのチームに数え切れないほどの影響を及ぼしていますが、この変化から学ぶことを忘れてはいけません。

さらに詳しく

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3月のSREConでは「SREレポート2023」の共著者であるLeo Vasiliou氏とKurt Andersen氏の講演にご期待ください!