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ウォータークーラーと人々

ウォータークーラーなしで人間関係を構築する方法

2023年9月7日
翻訳: 山本 奈良乃

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「How to Build Relationships Without a Water Cooler 」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


何十年もの間、ウォータークーラーは現代の職場の象徴として君臨してきました。
それは集まる場所としての役割を果たし、自然な会話のきっかけにもなり、異なる部署の同僚が集い、役職や上下関係の垣根を越えて話を共有する社交場でもありました。
そこではジョークが飛び交い、個人的なエピソードも共有され、友情が育まれていました。

実際、私は、今日生きている多くの人が、ウォータークーラーでの「偶然の」出会いのおかげで人間関係を構築できたと確信しています。

もちろん、パンデミックはそのすべてを変えました。
突然オフィスは空っぽになり、ハイブリッドの職場やリモートの職場が流行しました。

パンデミック以降のウォータークーラーの売上は?
今ならじっくりと見る価値のあるスプレッドシートがあります。
この新しい働き方の時代を進む中で、物理的なウォータークーラーの不在が目立つようになり、オフィスでの人間関係や仲間意識を育む偶然の瞬間をどのように再現するかについて、多くの人々が疑問を持っています。

それらは決して水の問題ではなかった

バーチャルとはいえ、ウォータークーラーに取って変わるには、その果たすべき役割と解決された問題を理解することが肝心です。

ネタバレ注意:決して水の問題ではありません。
ガーディアン紙の洞察に富んだ記事で強調されているように、オフィスには一日を通じて休憩を提供するキッチンやソファなどの遷移空間がよくあります。
私たちは次から次へとTeamsミーティングをするためには作られていません - 職場がそのように張り詰めた場所であるべきではありません。

また、ウォータークーラーの周りでの何気ない社交的交流が、私たちが思っている以上に重要であったという証拠もあります。
昨年のSREレポートでは、ハイブリッド型の職場の方針が、信頼性が高くレジリエントなシステムを生み出すために必要なコミュニケーションや連携を難しくしていることが明らかになりました。
「持続的な在宅勤務ポリシーによって、ワークライフのどの側面に最も影響を受けたか」という質問に対して、回答者の44.7%が「人間関係の構築」が非常に悪化した、またはやや悪化したと答えました。

パンデミック発生以降、労働環境はどのように変化したのか?
パンデミック発生以降、労働環境はどのように変化したのか?

それにもかかわらず、回答者の50%近くが、在宅勤務になってからイノベーションの速度は「ほぼ同じ」、生産性は正味31.3%「向上した」と主張しています。
我々は当然ながら、人間関係の構築が難しくなった環境において、このレベルのイノベーションを維持することが持続可能かどうかを尋ねました。

ハイブリッド型の職場でこのような高い生産性を維持できるのは、従業員が無理をしすぎているからだとも述べられています。
どうやら、軽食やウォータークーラーでのおしゃべりがないと、多くの社員は長時間、休みなく働き続けることになるようです。

では、物理的な近さを超えた強い人間関係を築くために、ハイブリッド型の職場やリモート型の職場環境をどのように活用すればいいのでしょうか?
私は最近、Catchpointのトラヴィス・ジョーンズ(ラーニング&デベロップメントディレクター)とジャックリン・ヘルナンデス(エンタープライズ・カスタマー・サクセス・マネージャー)にこの質問やその他の質問を投げかけました。
ウォータークーラーがなくても人間関係を築き、維持するための秘訣を紹介します。

ウォータークーラーのない世界における人間関係構築術

直接会ったことのない新しいチームメンバーと、どうやって信頼関係を築きますか?

トラヴィス

少なくとも私にとって、時間は最も重要な要素のひとつだと思います。
毎週1回、30分か1時間の1対1の時間で信頼関係を築くことは期待できません!

私たちのオンボーディング・プログラムであるLevelUpでは、各新入社員と少なくとも1週間、毎日何度もセッションを行います。
ミーティングでは仕事をこなすだけでなく、常に近況や週末の過ごし方について質問できるよう、十分な余裕を持たせています。
そのようなちょっとした気遣いで、人は大切にされ、また大切にされていると感じるのです。

ジャクリン

新しい役割に慣れてきたときに、その人の仕事や成果を(たとえ小さな成果であっても)純粋に評価すること、そしてその感謝の気持ちを(たとえTeams pingであっても)直接伝えることが、私のお気に入りの同僚との友情のきっかけになりました。

バーチャルな環境で、仕事上の会話と個人的な"ウォータークーラー"のような会話のバランスをどう取りますか?

トラヴィス

バッファを作ります。
私はいつも、必要な時間より5~10分ほど長めに予約するか、割り当てられている時間より早く会議の内容を終わらせるようにしています。
最悪の場合、時間通りに終わりますが、最善の場合、仕事以外のことで、人々が熱中していることについて話すためのちょっとした「小休止」バッファを常に確保することができます。

ジャクリン

日常的あるいは週単位で相手と話す機会がある場合、通話の最初の数分間は仕事以外の話題(テレビ番組、最近の家族の活動、今度の休暇の予定など)に費やされるのが一般的/自然です。
しかし、相手が日々の仕事の流れに加わっていない場合は、「やあ!調子はどう?」という一言を送ったり受け取ったりするだけで、満足することもあります。

あなたが参加したバーチャル交流イベントやチームビルディング活動で、楽しかったこと、成功したことはありましたか?

トラヴィス

四半期に一度、私はチームを集めてMBO(Management By Objectives:その四半期に達成するべきコミットメント)を共有させます。
これにより、各メンバーが同僚が何に取り組んでいるのかを知ることができます。

そのミーティングでは1時間を予約し、30分をMBOに、残りの30分でチームビルディングのためのゲームやアクティビティをします。
去年は、オンラインの脱出ゲームをしたり、「それは何年?」というゲームで別のチームと対戦したり、最も最近ではCityGuesserというゲームで地理的知識を試したりしました。
これらのチームビルディングイベントには常にポジティブなフィードバックが寄せられ、それがチームの日常的な会議以外で良好な関係を築く助けとなっています。

人間関係の構築に対面ビデオ会議は不可欠ですか?テキストベースのコミュニケーションツールだけで、強い人間関係を築くことができますか?

トラヴィス

可能だとは考えますが、難しいでしょう。
私のチームは、リーダーである私を始め、ビデオを使っています。
もし私がビデオを使わなければ、それが私たちの交流の基本になります。

もちろん、映像を見せるのが不可能な場合もあります。
そのような場合は、遠慮なくカメラをオフにしてもらって構わないです。
しかし、たとえ相手がカメラをオフにしていたとしても、私は会話と従業員への自分の関与を示すために、カメラをつけたままにしたいのです。

リモートでの対立の解決はどう行っていますか?

ジャクリン

イライラする事は誰にでもありますが、怒りが頂点に達している時に何かを送信するのは避けましょう。
確かに、何かを入力することはできますが、落ち着いた後にもう一度それを見返し、同じように送信するかどうかを考えてみてください。
(そのメールが誰に転送されたり、誰が見る可能性があるかを念頭に置いて)

もうひとつの対処法は、「クイック・シンク(短時間のミーティング)」の間に話し合ってしまうことです。
通話にポジティブで、冷静に、そして実際の解決策を話し合うことについて前向きであることを心がけてください。

もちろん対立の内容にもよりますが、職場で彼らに「会う」ことなく多くの異なるチームやパートナーと交流するハイブリッドな世界では、業務の流れや目標/成功の指標に違いがあるかもしれません。
そのような潜在的な違いや動機を理解することで、仕事の関係や協力を強化して、対立を減らすことができるかもしれないです。

ウォータークーラーの向こう側にある人生

1906年にハルゼー・ウィラード・テイラーとルーサー・ホーズが現在のようなウォータークーラーを発明したとき、それが広く社会に大きな影響を与えることに気づいた人はほとんどいなかったでしょう。
バーチャルな人間関係の新しい風景を描くとき、私たちは同じような立場にいることに気づきます。
物理的なウォータークーラーが職場の力学に変化をもたらしたように、私たちは革新的な戦略とデジタルツールを取り入れて、有意義なつながりを育む機会を得ているのです。

意図的なコミュニケーションを取り入れ、カジュアルな交流のためのバーチャルスペースを作り、コミュニティ意識を育むことで、物理的な距離を超えて強い関係を築き、維持することができるのです。
進化し続ける仕事の世界で、距離の長さに関係なく、つながりを築いていきましょう。