SpeedData

WebPageTest Expertプランのご紹介

WebPageTest Expertプランのご紹介:リアルタイムインサイトと合成監視・RUMを統合した新しいプラットフォーム

2025年3月15日
著者: Mikayla Reddy
翻訳: 逆井 晶子

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Introducing WebPageTest Expert Plan: Real-Time Insights, Synthetic + RUM together in One Platform」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


想像してみてください。
Webサイトに大規模なアップデートを行い、すべてがうまくいっていると自信を持っていました。
ところが数時間後、トラフィックが激減します。

ユーザからは読み込みが遅いと不満が寄せられますが、WebPageTestで確認しても異常は見当たりません。
何が足りないのでしょうか?
それは、リアルタイムのインサイトとプロアクティブなモニタリングです。

10年以上にわたり、WebPageTestはWebパフォーマンステストの業界標準として、世界中の開発者、QAエンジニア、WebOpsチームに信頼されてきました。
しかし、テストの実行は重要である一方、それはスナップショットに過ぎず、Webサイトの継続的なパフォーマンスの全体像を把握するには不十分です。

そこで登場するのが、WebPageTest(WPT)Expertプランです。
このプランは、WPTを単なるテストツールから、継続的モニタリングを可能にする強力なプラットフォームへと進化させます。
CatchpointのInternet Performance Monitoring(IPM)プラットフォームと統合することで、リアルタイムのインサイト、スケジュールされた合成監視、そしてリアルユーザモニタリング(RUM)を一元的に管理でき、ユーザへの影響を未然に防ぐことが可能になります。

本記事では、この新たなExpertプランの主な特長と、Starter/Proプランとの違いを解説し、チームにとって最適な選択肢を見極めるためのヒントをお届けします。

WebPageTestプラン比較

すべてのWebパフォーマンスニーズが同じとは限りません。
個人開発者、成長中のビジネス、大規模なデジタル体験を管理するエンタープライズまで、WebPageTestはそれぞれに最適なプランを提供しています。
以下は、Starter、Pro、Expertプランの比較です。
それぞれのプランの内容を比較してご確認ください。

WebPageTestプラン比較図
WebPageTestプラン比較図

WebPageTest ProとExpert:なぜアップグレードするのか?

現在WPT Proを使用している場合、手動またはスケジュールでテストを実行しているでしょう。
Expertプランはその一歩先を行き、リアルタイムのパフォーマンスインサイト、自動モニタリング、そしてラボと実環境データの両方を1つの画面で表示できる機能を提供します。

WebPageTest Expertプラン画面
WebPageTest Expertプラン画面

Proプランとの主な違いは以下の通りです。

#1 - エンタープライズグレードのモニタリング

ProプランではWPTのスタンドアロンプラットフォームでのテスト実行に依存しますが、ExpertプランはCatchpointのIPMポータルに直接統合されており、テストのスケジューリング、アラート設定、大規模なパフォーマンス分析が容易になります。

スケジュールテストやアラートの設定も非常に簡単で、AI搭載ダッシュボードがすぐにデータの収集を開始します。
現在WebPageTest.orgで使用している特定のロケーションやデバイスも、Catchpoint内でそのまま利用可能です。

Catchpoint内のWebPageTestプロパティ設定
Catchpoint内のWebPageTestプロパティを使うことで、合成監視に必要なテストURL、認証情報、デバイス/ブラウザプロファイルを設定できます。
CatchpointにおけるWebPageTestのターゲティングおよびスケジューリング設定
CatchpointにおけるWebPageTestのターゲティングおよびスケジューリング設定では、テストの頻度、実行時間帯、グローバルなテスト実行場所をユーザが定義できます。
WebPageTestのアラート設定
WebPageTestのアラート設定では、主要な指標のしきい値を設定し、条件を定義し、通知設定をカスタマイズすることができます。

#2 - リアルユーザモニタリング(RUM)

Proプランが合成テストのみに焦点を当てているのに対し、Expertプランでは、実際のユーザの操作に基づいたリアルタイムのパフォーマンスインサイトが得られるRUMが含まれています。
RUMデータの収集は、非常に軽量なJavaScriptタグをページに追加するだけで済みます。
このタグはWebページのパフォーマンスに悪影響を与えることはなく、INP(Interaction to Next Paint)などの指標改善に役立つデータを収集できます。

#3 - AI搭載ダッシュボード

AI搭載ダッシュボード画面
AI搭載ダッシュボード画面

Expertプランでは、CatchpointのAI搭載ダッシュボードでWPTデータを可視化・分析できるため、開発環境と本番環境におけるパフォーマンスの変化や傾向を的確に把握できます。
カスタマイズ可能なアラートにより、予期しないパフォーマンスの低下にも迅速に対応できます。

アラート詳細図
アラート詳細図

#4 - 長期のテスト履歴とデータ保持

Expertプランでは、テスト履歴の保持期間がProプランの13か月から最大7年間に延長され、長期的なトレンド分析やコンプライアンス対応にも適しています。

#5 - より多くのカスタマイズとスケーラビリティ

Expertプランは、プライベートテスト、一括テスト、各種統合、SSO(シングルサインオン)に対応しており、複雑なデジタル環境でパフォーマンスを管理する大規模チーム向けに設計されています。

合成監視とRUMの両方が必要な理由

WPT Expertプランの最大の利点の1つは、合成監視とRUMの組み合わせにより、Webサイトのパフォーマンスを360度で把握できることです。
それぞれのモニタリング手法には強みがあります。

なぜこれが重要なのでしょうか?
それは、合成監視とRUMが互いを補完し合うからです。
合成監視は、Webサイトがコントロールされた環境で高速かつ信頼性があることを確認し、RUMは実際のユーザがどう感じているかを示してくれます。
両者を組み合わせることで、短期的な問題(合成監視で検出)と長期的な傾向(RUMで把握)の両方に迅速に対応できます。

Expertプランを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

合成監視またはRUMだけでも有益なインサイトは得られますが、両方を組み合わせることでWebパフォーマンスモニタリング戦略が完成します。

導入ガイド

Webパフォーマンスモニタリングを次のレベルへ引き上げる準備はできましたか?
私たちのソリューションエキスパートがライブデモでご案内し、導入をサポートします。
こちらからご連絡ください。

さらに詳しく学ぶ