ダイヤルアップからクラウドへ:インターネットの時代にAPMが十分でない理由
インターネット・スタックに対する重要な可視性がなければ、結果的に収益や顧客を失う
2023年4月7日
翻訳: 島田 麻里子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事From Dial-Up to the Cloud: Why APM is Not Enough in the Age of the Internetの翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
もしインターネットがなかったら、あなたは今頃何をしていたでしょうか?
私たちが知っているワールド・ワイド・ウェブ(www)は、まだ数十年前のものですが、それがない生活は考えにくいです。
56kモデムを使い、AOLのアカウントにアクセスし、メールの有無を確認するためにあの懐かしい接続音を待ちわびていた、「パーソナル」インターネットの黎明期を懐かしく思い出すことができます。
私たちは、そのささやかな始まりから長い道のりを歩んできたのです。
私たちは、インターネットをあなたの新しいネットワークとして話しています。
実際、そうだからです。
Amazonのような99%以上がオンラインで購入されるEコマース組織や、クレジットカード決済をリアルタイムで処理する地元のガソリンスタンドなど、今日のほぼすべてのビジネスは、何らかの形でインターネットに依存しています。
電気と同じくらい、現代生活の基本です。
監視の誕生
インターネットの登場は、会計・財務から製造・企画に至るまで、あらゆるものをソフトウェア・アプリケーションに移行させ、新たなイノベーションの波を巻き起こしました。
これらのアプリケーションは、ビジネスを運営する上での基盤となりました。
当時、アプリケーションをスムーズに動作させることは、比較的簡単なことでした。
ソフトウェアシステムは比較的シンプルで、個々のマシン上で動作するものでした。
ITチームはハードウェアに直接アクセスすることができ、発生した問題を容易に特定し、修正することができました。
しかし、アプリケーションがより複雑化し、分散化するにつれて、その状況は一変しました。
必然的に、それらが期待通りに動作し、ビジネスとその顧客のニーズをサポートできることを確認するための監視が必要となります。
その結果、アプリケーションスタックを監視するソフトウェアが開発され、アプリケーションパフォーマンスマネジメント(APM)が誕生しました。
APMによって、企業はアプリをビジネスの流れに合わせてより良く調整し、アプリスタックの問題をより早く特定することができるようになりました。
しかし、APMの利点は明らかであるにもかかわらず、今日の市場にはまだ大きな未解決のギャップが残されています。
アプリケーションの監視だけでは不十分な理由
アプリケーションは真空の中に存在するのではありません。
正しく機能するためには、レジリエントな(回復力のある)インターネットが必要です。
Wi-Fiがないときは、どうやってAmazon.comにアクセスしますか?
オンラインに接続できない場合、医師はどうやってカルテにアクセスするのでしょう?
Eコマースブランドは、読み込みが遅いWebサイトを持つ場合、どのように競争するのでしょうか?
また、そもそもインターネット上のインシデントの根本的な原因をどのように見つけるのでしょうか?
ISP、Wi-Fi、CDN、DNS、BGP、JavaScript、それともノートPCの問題でしょうか?
さらに複雑なのは、誰もが同じ場所からインターネットを利用しているわけではないということです。
サンフランシスコ、ボストン、シカゴ、スプリングフィールドといったアメリカ国内はもとより、ロンドン、パリ、マドリード、さらには東京、オーストラリア、ニュージーランドといった海外でも、同じアプリケーションにアクセスしようとしています。
場所やネットワーク状況に関わらず、必要なアプリにオンラインでアクセスできるようにするには、どうすればいいのでしょうか?
答えは簡単で、インターネットを監視する必要があります。
インターネットパフォーマンス監視(IPM)の登場
こうして、Mehdi Daoudi、Dritan Sujoti、Scotte Barkanの3人はCatchpointを設立しました。
彼らはDoubleClick社の買収後、Google社で働き、市場の大きなギャップを認識しました。
世界一の広告配信会社を目指している彼らは、最高のアップタイムとパフォーマンス が必要であることに気づきました。
既存のツールでは、Appスタックやインフラを監視するか、クラウドから監視するかのどちらかしかないことが問題でした。
ユーザの立場から真にパフォーマンスを測定するものがなかったのです。
そこで彼らは、企業が従業員や顧客に必要な体験を確実に提供できるような、新しいものを作ろうと考えたのです。
当初、彼らは自分たちの新しい技術を合成監視と呼んでいましたが、その後、デジタル体験監視やオブザーバビリティと呼ばれるようになりました。
現在では、インターネットパフォーマンス監視(IPM)と呼ばれ、Catchpoint社の創業者が目指したもの―ビジネスに影響を与えるインターネットのあらゆる側面を深く可視化することを意味しています。
インターネットの重要性を考えると、企業は見て見ぬふりをするわけにはいきません。
ネットワーク、API、ワークフォース、ウェブ、そしてもちろん顧客体験を監視し、インターネットインシデントがビジネスに影響を与える前に確実にキャッチする必要があります。
APMだけでアプリスタックを監視している企業は、IPMでインターネット・スタックも監視していないと、自分たちに損害を与えていることになります。
混乱に伴う高いコスト
ある大手電機メーカーのお客様で、営業担当者全員に数分のフリクション(心理的ストレスを感じさせる障害)が生じるという事件が発生しました。
では、この問題によって、営業マン1人あたり毎日5分の生産性が低下するとしたらどうでしょう。
営業の担当社員が6000人いる組織であれば、毎日3万分、年間13万時間が失われる計算になります。
平均的な営業マンの年収が10万ドルだとすると、年間625万ドルの損失ということになるのです。
もう一つの例は、eコマースの分野です。
例えば、年間売上高が約7億ドルの企業が、インターネット・スタックから月平均76回の通信障害を受けたとします。
1回の障害に平均30分かかるとすると、1カ月に38時間もの速度低下やダウンタイムが発生し、その結果、毎月約300万ドル、年間約3600万ドルの収益が失われることになります。
これは、問題を特定し、デバッグし、修正しなければならないチームのリソースへの影響や、ブランドへの悪影響などを考慮する前の話です。
この2つの簡単な例からわかるように、どちらの場合も失われた収益はまったく些細なものではありません。
このような話は、CatchpointのWebサイトでもっとたくさん見ることができます。
インターネット・スタックのレジリエンスを確保する
Catchpointは、IPM分野のマーケットリーダーとして、ビジネスのあらゆる側面 ― 顧客、従業員、ネットワーク、アプリケーション、Webサイト体験などにおいて、完全な運用可視化を実現するソリューションを提供しています。
残念ながら、私たちのお客様の多くは、手遅れになるまでIPMの必要性を認識していません。
多くの場合、重大な障害や故障に見舞われ、収益や生産性の損失、評判の低下により数百万ドルの損失を被った後に、IPMを導入することになります。
アプリケーション・スタックをAPMで監視するのと同様に、インターネット・レジリエンスを確保するための監視にも力を入れるべき時が来たのです。
インターネット・スタックに対する重要な可視性がなければ、ダウンタイムやパフォーマンスの問題により、収益や顧客を失う危険性があります。
だからこそ、あなたのビジネスにはIPMツールが必要なのです。
このまま長いこと放置して、あなたは組織に何百万ドルもの損失を被らせるような人になるのでしょうか。
それとも、ビジネスに影響を与える前に問題をキャッチし、修復することができるスーパーヒーローになるのでしょうか。
インターネット・パフォーマンスについての情報
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