アプリケーション監視の進化：Catchpointトレーシングの導入
複雑な分散環境をエンドツーエンドで把握、完璧なユーザ体験を実現
2023年11月17日
翻訳: 島田 麻里子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Advancing Application Monitoring: Introducing Catchpoint Tracing」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
「クラウド・ネイティブ」が複雑さと分散を意味するようになった時代において、アプリケーション監視の世界は大きな課題に直面しています。
アプリからピザを注文するという、何の変哲もないたった1つのユーザアクションが、バックエンドでのコールやリクエストの連鎖を引き起こし、APIゲートウェイの検証、認証、商品の在庫確認、ショッピングカートとチェックアウトの処理、支払いの検証、注文の準備、配送のロジスティクスといった段階を経ていくのです。
この1つのアクションに、1日にアプリケーションに対して行われるアクションの数を掛け合わせてみましょう。
その結果は、気の遠くなるようなものに他なりません。
アプリケーションが機能していること自体が驚異なのです。
解決策：ジャーニーの軌跡を辿る
この挑戦は単なるハードルではなく、現代のソフトウェア開発のエベレストであり、より良いものを求める業界への呼びかけです。
これが、Catchpointが最近インターネット・パフォーマンス・モニタリング（IPM）プラットフォームをCatchpointトレーシングで強化した理由です。
この新機能は、最新のアプリケーション配信に使用される、複雑で大規模かつ不安定な環境が、顧客のデジタル体験、ひいては事業収益に影響を与えるという問題を解決します。
Catchpointトレーシングがゲーム・チェンジャーである理由
Catchpointトレーシングは、物理デバイス、仮想マシン、コンテナなど、分散アプリケーションの展開場所を問わず、エンドツーエンドの監視を可能にします。
データベース、キャッシュ、キュー、ストリームなど、サービスと関連リソース間のすべてのインタラクションについて、きめ細かな洞察を提供します。
この豊富なデータにより、リソースの使用状況の分析、問題のトラブルシューティング、アプリケーションの迅速なデバッグが可能になります。
クラウドが台頭する前に登場したツールとは異なり、トレーシングは、クラウド・ネイティブが複雑な分散アプリケーションと同義になったことに端を発します。
これらの最新のアプリケーション・アーキテクチャは、解決すべき新たな問題を提示し、効率的にトラブルシューティングを行い、高レベルのパフォーマンスを維持するために、アプリケーションをエンドツーエンドで理解する必要性を促しました。
この進化の中で、Catchpointはアプリケーションを監視する全く新しい方法を開発し、複雑さを劇的に単純化しながら、複数のツールの必要性を排除しました。
Catchpointトレーシングは、ユーザ体験からバックエンドに至るまで、分散型アプリケーションの真のエンドツーエンドの管理と可視性を提供する、最初で唯一のプラットフォームです。
「エンド・ツー・エンド」の本当の意味とは？
それは、IPMでしかできない直接的なアウトサイド・イン・アプローチから始めることを意味します。
IPMの機能とアプリケーションの機能の関係を、チームが直接観察できるようにします。
これにより、アプリケーションが消費する分散サービスの集合体を、各ローカルサービスやコンテナベースのアプリケーションのランタイムコードの行レベルまで把握し、管理することが可能になります。
もしあなたが、ビジネスアプリケーションに根ざした完璧なユーザ体験の提供を任されたIT運用のプロフェッショナルであり、国境を越えた関係の管理を担当し、または運用の非効率性に悩まされているのであれば、Catchpointトレーシングはあなたの仕事をより良くする手助けとなるでしょう。
Catchpointトレーシングが解決する4つの重要な問題
1. 可視性：インシデント管理と故障のトラブルシューティング
どのようなアプリケーションの呼び出しにおいても、多数のバックエンドリクエスト呼び出し（多くの場合、数十以上）がトリガーされる可能性があります。
これらの呼び出しはそれぞれ、期限切れの証明書などの潜在的な障害ポイントを表します。
IT運用チームは、これらの失敗したリクエストがビジネスに影響を与える前に、迅速にトラブルシューティングを行う能力を必要としています。
Catchpointトレーシングはこのプロセスを合理化し、障害箇所をピンポイントで特定するための無駄な時間を省きます。
このツールを使用することで、チームは依存関係を簡単に理解し、移行やアプリのアップデートの影響を評価し、一時停止するコンポーネントを特定し、アプリのどのセクションでインシデントが発生しているのか（単に「コードです」と伝えるのではなく）を特定することができます。
2. バランス：革新性と信頼性の調和
企業が開発者に革新的な機能のプッシュを要求し、IT運用部門がアプリを維持する責任を負う場合、Catchpointトレーシングは、バランスを保つために両者の関係を改善します。
サイロ化を解消し、責任の押し付け合いを減らし、「開発部門 対 運用部門」の関係を管理することで、非難されることのない文化を育成するのに役立ちます。
Catchpointトレーシング、特にSLO監視と組み合わせた場合、アプリケーションはもはやブラックボックスではなくなるため、IT運用チームはレジリエンスのある迅速な顧客体験を提供するための貴重な洞察を得ることができます。
IT運用部門は開発者ではないにも関わらず、本質的にアプリケーションの問題を調査できるようになります。
3. パフォーマンス：アプリケーション・パフォーマンスの最適化
遅延が新しいダウンとなる時代において、アプリケーション・パフォーマンスの高速化は、ビジネス・パフォーマンスの向上に繋がります。
Catchpointトレーシングは、IT運用部門に、アプリケーションのパフォーマンスに影響を与える多数の要因を評価するための権限を与えます。
従来、アプリケーション・パフォーマンスは主に開発者の領域でした。
しかし、Catchpointトレーシングを使用することで、IT運用チームは、開発者の専門知識を必要とすることなく、パフォーマンスの問題を深く掘り下げることができます。
4. 効率性：エコシステムとポーティング可能なテレメトリーのナビゲート
IT運用チームは、最新のオブザーバビリティ・フレームワークをサポートするために、複数のプロトコルをサポートする能力を必要としています。
残念なことに、監視データを受け取る量、種類、速度が圧倒的に多いため、堅牢なオブザーバビリティ・フレームワークの必要性が高まっています。
ユーザ体験の問題のほとんどがフロントエンドで表面化することを考えると、IPMの需要は高まり続けるでしょう。
しかし、その成功は、OpenTelemetry（OTEL）のような標準をITの重要な武器として採用するかどうかにかかっています。
CatchpointトレーシングとOTELにより、IT運用チームは自分たちのデータを所有することができ、独自の制約から解放され、今日のダイナミックなコンピューティング・ランドスケープで必要とされる柔軟性を得ることができます。
Catchpointトレーシングでエンド・ツー・エンドの優れたユーザ体験を実現
ユーザ体験を何よりも優先する企業にとって、Catchpointは、収益と生産性を生み出すアプリケーションにまで及ぶIPMを提供する、世界で唯一のベンダーです。
アプリケーション・トレースとIPM独自のインターネット・スタックの可視性を融合させることで、レジリエンスのある高速なユーザ体験を、揺るぎない自信をもって容易にお届けすることができます。