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DNS_connection_performance

IBMとCatchpointによるグローバルDNS接続性能の包括的な調査

2024年8月2日
著者: Mark Towler
翻訳: 逆井 晶子

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「A deep dive into global DNS connection performance with IBM & Catchpoint」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


想像してください: あなたの会社の経営陣は昨年をメッセージの開発に費やしました。
デザインチームは何週間もかけて説得力のある意識向上キャンペーンに取り組みました。
そして、マーケティングチームは完璧なリード・ジェネレーション・キャンペーンを展開しました。
新規のお客様が購入を決めて、意気揚々とあなたのWebサイトのリンクをクリックしたときに、フラストレーションを引き起こすほど遅いページの読み込みに直面したとしたらどうでしょう。

これは単なる些細な不快感ではなく、チャンスを逃し、ビジネスを失う可能性があります。
ドメインネームシステム(DNS)は、Webナビゲーションの隠れた英雄であり、ユーザーがリンクをクリックしたり、Webサイトのアドレスを入力したりすると、迅速かつ正確でシームレスに正しい目的地に誘導します。

今日の消費者やユーザーに感動を与えるためには、1秒1秒が重要です。
そして、遅いDNSは、あらゆる規模や業界の企業にとって致命的な問題となり得ます。
Akamaiの 2021 年の DNS 障害のような悪名高い事例が示すように、その影響は広範囲に及ぶ可能性があります。
ここの 1 時間の障害は、Amazon、Delta、Capital One、Costco などに波及し、ビジネスへの計り知れない損失とともに大きなニュースとなりました。

DNSパフォーマンスの重要性にもかかわらず、ネットワークオペレーターが自社のアプリケーションを評価するための信頼できる指標が不足していることが、ITチームにとって障害となることが多いのです。
この重要なDNSパフォーマンス指標の必要性を解決するため、CatchpointはIBMのNS1 Connectチームと提携し、アプリケーションを効果的に評価するための具体的な数値を提供しました。

Catchpointの比類なきグローバル観察ネットワーク強力なDNSモニタリング機能を活用し、IBMは世界中のDNSパフォーマンスを分することに乗り出しました。
この研究は、主要WebサイトのDNSアーキテクチャに関する公開データと、アプリケーションパフォーマンスに関する深い洞察を組み合わせ、「実際の」DNSパフォーマンスを比較しました。

Catchpointの合成モニタリング、リアルユーザーモニタリング(RUM)、エンドポイントモニタリングを網羅する包括的なソリューションにより、IBMは多様なデジタル環境でのインターネットパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスに対する無類の可視性を得ることができました。
これにより、数千のユニークなサイトへのDNS接続の速度を測定し、歴史的に未踏の分野でのベンチマーク指標を作成することができました。

研究の実施方法は?

我々の共同研究は、Catchpointのグローバル観察ネットワークと強力なDNSモニタリング機能を使用し、合計2,271のサイトでパフォーマンスを比較しました。
研究では、DNSサーバーがクエリに応答する速度を測定する「応答時間」を使用してパフォーマンスを分類しました。
グローバルなDNS応答時間の平均値を決定するだけでなく、地理的な要因やトラフィック量がDNSパフォーマンスに与える影響も調査しました。
また、この調査では、セルフホスト型DNSとマネージドDNSの性能を詳細に比較しました。

研究で明らかになったことは?

ささまざまな地域、ローカルISP、および権威DNSプロバイダーにわたって計算された、調査対象Webサイトの平均DNS応答時間は263ミリ秒でした。(※1)
この値は、DNSアクセラレーションツールやその他の要因を含まない技術的なベースラインであり、DNSリゾルバーは自律的に最適なネームサーバーを選択することができました(詳細についてはレポートを参照)。

※1 調査結果の方法論については、レポートをご覧ください。
Catchpointのグローバル観察ネットワークとそのノードに関する詳細は、https://www.catchpoint.com/global-observability-networkで確認できます。

セルフホスト型DNSとマネージドDNSの性能を比較したところ、速度と信頼性の両方でマネージドDNSが優れていることがわかりました。
実際、セルフホスト型DNSで使用されたデータは、平均グローバル応答時間のデータよりも35%遅かったことがテストで判明しました。

地理的要因に関しては、北米とヨーロッパは通常、より高いインフラストラクチャ密度(データセンターやDNSサーバーの集中度が高いこと、強力なインターネットバックボーン、主要都市間の接続性、DNSサーバーへの近接性など)などの要因により、優れたDNSパフォーマンスを示すことが研究で明らかになりました。
これらの要素はすべてレイテンシーの低減につながります。

結論

早期のDNS問題検出、最適化、地理的考慮事項に関しては、パフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを守るためにDNSを重視することは不可欠です。
堅牢かつ高性能なDNSインフラストラクチャへの投資は、ビジネスの保護と貴重な顧客基盤の維持につながります。
Catchpointは、その投資を最大化するための支援を提供します。

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