
Webパフォーマンスの専門家がWebパフォーマンスの未来を探る
WebPageTestとCatchpoint IPMに関する限定セッション
2025年2月6日
著者: Piril Kavlak
翻訳: 永 香奈子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Web Performance Experts Look into the Future of Web Performance」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
先月、主要ブランドのWebパフォーマンス専門家たちが、Catchpoint製品チームと共に開催された限定セッションに参加し、WebPageTestおよびCatchpointのインターネットパフォーマンスモニタリング(IPM)の新機能や将来の改善について探りました。
この記事では、そのセッションのハイライトを共有します。
主な発表と洞察
CatchpointプラットフォームへのWebPageTestの統合
最も注目すべき更新の一つは、WebPageTestがCatchpoint IPMプラットフォームに統合されたことです。
この強力な組み合わせにより、ユーザーはCatchpointのエンタープライズ向けの包括的なサービス群にアクセスできるようになりました。
これには、リアルユーザーモニタリング(RUM)、SLO、DNS、SSL、CDNモニタリングなどが含まれます。
来年、すべてのWebPageTestユーザー(登録済みの無料ユーザーおよびProユーザーを含む)は、WebPageTestがCatchpointポータルに完全統合されることで、アップグレードされた体験を享受します。
Proユーザー向け新機能:パフォーマンス洞察の強化
WebPageTestのProユーザーは、パフォーマンスモニタリングを強化するために設計されたいくつかの新機能を利用できます。
- スケジュールテスト
- 1分ごとから数時間ごとのカスタマイズ可能なスケジュールでパフォーマンステストを自動化し、継続的なパフォーマンス監視を可能にします。
- 概要ダッシュボード
- この中央ハブはテストの状態を一目で確認できるビューを提供し、時間の経過とともにパフォーマンスを追跡するのに役立ちます。
- スマートボード
- JavaScriptの実行、アセットの読み込み、サードパーティコンテンツなど、主要なパフォーマンス要素に関する詳細なパフォーマンス分析とインサイトを提供します。
- アラート
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カスタマイズ可能なパフォーマンスアラートを設定し、潜在的な問題に迅速に対応できるようにします。
通知はメール、Slack、PagerDutyを介して送信されます。 - チームコラボレーション
- マルチユーザーアクセスによりチームを取り込み、パフォーマンス監視やテスト結果でシームレスなコラボレーションを可能にします。
新しいWebPageTest Enterpriseプランでは、ユーザーは以下のような強化された機能を利用できます。
シングルサインオン(SSO)、高度なセキュリティ管理、そして世界最大のグローバル観測ネットワークへのアクセスです。
このネットワークは、世界100か国以上に2,800を超える拠点を持ちます。
このアップグレードにより、ウェブチームはIPM(Internet Performance Monitoring)のための最も包括的で高度なプラットフォームを利用し、ユーザー体験をさらに向上させることが可能になります。
Catchpointの主な使命は、インターネットパフォーマンスの問題が顧客に影響を与える前に、検出とトラブルシューティングの時間を短縮することです。
私たちは、単なるウェブサイトだけではなく、インターネットスタックのすべての要素を、顧客のいる場所から監視することで、本当に重要なものを把握し、迅速な回答を得られるよう支援します。
モバイルRUMへの拡大とフラストレーションメトリクスの導入
ユーザー体験の監視をさらに強化するために、Catchpointはモバイルリアルユーザーモニタリング(RUM)へと拡大します。
これにより、チームはOpenTelemetryのサポートを活用してモバイルデバイスのパフォーマンスを追跡できます。
さらに、rage click(激しいクリック)、dead click(無反応なクリック)、thrash cursor(カーソルの乱れた動き)といった新しいフラストレーションメトリクスにより、ユーザーの問題点をより効果的に特定できます。これにより、ユーザーインタラクションの全体像を把握し、最適化すべき領域を明確にすることが可能になります。
インターネットソナーとスタックマップ:デジタルサービスの可視性を強化
CatchpointのInternet SonarとInternet Stack Mapは、デジタルサービスの健全性およびそれが依存するインターネットの依存関係を監視するための独自のソリューションを提供します。
- Internet Sonar
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Internet Sonarは、DNS、CDN、クラウドプロバイダ、ISPなどの外部サービスを継続的に追跡し、障害の即時可視化を提供します。
これにより、チームは問題が内部のものかサードパーティサービスに関連するものかを迅速に判断でき、トラブルシューティングの時間を短縮し、不必要な緊急対応会議を排除できます。 - Internet Stack Map
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Internet Stack Mapは、デジタルサービススタック全体のライブシステムレベルのダッシュボードを提供します。
これにより、システムが依存するすべての外部サービスを自動的に検出し、Internet Sonarからの障害をこれらの依存関係と関連付けます。
マップ内の任意の要素でシンセティックテストを実行できるため、パフォーマンステストと障害を関連付け、インターネットの障害とそれがサービスに与える影響を効果的に「つなげる」ことが可能です。
実際、MQTTを使用したIoTシステムの監視からSIPを使ったVoIPテスト、メール、接続性、API、カスタムプロトコルなど、ほぼすべてのプロトコルでシンセティックテストを実行できます。
さらに、顧客はエンタープライズノードを展開して、オフィス、データセンター、その他の戦略的な場所からテストを実行できます。
これらのツールを組み合わせることで、迅速な問題解決を可能にし、複雑なマルチクラウド環境におけるインターネットの回復力を強化します。
単純なウェブテストツールや従来のAPMツールでは実現できない可視性を提供します。
アプリケーショントレース:詳細なパフォーマンスの洞察
アプリケーショントレースを使用すると、ユーザーはパフォーマンスの問題を深く掘り下げ、アプリケーションのパフォーマンスをより詳細に確認できるようになります。
ユーザーは、アプリケーショントレースをシンセティックテストに直接結びつけることで、障害や遅延をリアルタイムで分析できるようになります。
OpenTelemetry SDKを活用することで、チームはアプリケーションからパフォーマンストレースデータを収集し、ボトルネックや遅延の問題を特定できるようになります。
トレースの概要ダッシュボードでは、色分けされたインジケータを使用してサービスの健全性を強調し、パフォーマンスの状態を即座に把握できるようになります。
パフォーマンスベースの SLO/XLO 監視
XLO(Experience Level Objectives)監視を使用すると、ユーザーは時間の経過に伴ったエクスペリエンスレベル目標の測定を行うことができます。
XLOは新たに登場した用語であり、本当に重要なことに焦点を当てています。
ユーザーエクスペリエンスは例えば、四半期ごとの99.9%の稼働時間を確保すると同時に、主要な地域のユーザーが3 秒以内にページを読み込んだり、取引を完了できるようにすることなどを指します。
XLOを採用することで、組織はビジネス目標とユーザーの期待に合致した具体的な目標を設定できます。
チームは進捗を監視し、リアルタイムで調整を行い、継続的にパフォーマンスを最適化できます。
このプロアクティブなアプローチにより、SLAを確実に達成し、シームレスなユーザーエクスペリエンスを提供することで、サービスの品質向上と顧客満足度の向上につなげることができます。
次は何が来るのか?
これまでと同様に、Web Performance ExpertsからのフィードバックはWebPageTestの未来を形作る上で不可欠です。
今回のセッションは非常にインタラクティブなものであり、参加者から貴重なフィードバックや将来の改良に関する提案が寄せられました。
Catchpoint は、WebPageTest のオープンソース基盤を維持し貢献しながら、その改善に引き続き取り組んでいます。
WebPageTest.org は引き続きコミュニティにとって重要なリソースとして機能し、セルフサービス型 Catchpoint ポータルのユーザーは、今後数か月の間に新機能や新たな機能強化を楽しみにすることができます。
また、VIPメンバーは新しいポータルを先行体験し、今後の機能を直接体験できる独占的な機会を得ることになります。
スムーズな移行を確実にするために、概要とトレーニングリソースをここで提供します。
UIの一貫性を維持することを目指しました。
今後のエキサイティングなアップデートにご期待ください!
最近のウェビナーでは、Catchpoint IPM プラットフォーム内の新しい WebPageTest 機能の多くがデモンストレーションされました。
これらの機能を実際に確認するには、ウェビナーのフル動画をご覧ください。
WebPageTest の可能性をさらに押し広げ、市場で最も強力な Web パフォーマンス監視ツールを提供し続けることを楽しみにしています。