
フラストレーションを防ぎ、快適なユーザ体験へ
ユーザのストレスを価値ある体験に
2025年3月7日
著者: Vinutha Chandra
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Catch frustration before it costs you: New tools for a better user experience」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
Webサイトで商品を購入しようとしているのに、「カートに追加」ボタンをクリックしても何も起こらない、そんな経験をしたことはありませんか?
とてもイライラしますよね。
このような場面では、ユーザが購入を諦める可能性があります。
ユーザにとって不便なだけでなく、企業にとっては深刻な課題となります。
どれほど美しくデザインされたWebサイトでも、重要な要素が正しく機能しなければ、ユーザ体験は台無しになってしまいます。
そのため、Error Clicks、Rage Clicks、Dead Clicks、Thrashed Cursor などの問題を監視し、修正することが、スムーズなユーザ体験を提供し、売上の損失を防ぐために不可欠です。
これらのフラストレーション要因は、いくつかの深刻な影響を引き起こす可能性があります。
例えば、サポートへの問い合わせが増えることで運用コストが上昇し、カスタマーサポートの負担が増大します。
また、ブランドの評判を損ない、収益の減少や直帰率の増加、ビジネスチャンスの損失につながる可能性もあります。
さらに、ユーザの信頼を失い、満足度やエンゲージメントが低下することで、企業のパフォーマンスにも深刻な影響を及ぼします。
フラストレーション・メトリクスの導入:デジタル体験の向上へ
Catchpoint Real User Monitoring(RUM)に、新たにフラストレーション・メトリクスが追加され、ユーザ体験に影響を与える問題の特定と解決が可能になりました。
この機能では、Error Clicks、Rage Clicks、Dead Clicks、Thrashed Cursorといった重要な指標を追跡し、ユーザのフラストレーションの要因を分析します。
これらの強力なモニタリング機能により、企業はデジタルプラットフォーム全体のパフォーマンス問題を検出・対処し、よりスムーズで信頼性の高いユーザ体験を提供できます。
- 1. Error Clicks
-
ボタンやその他の要素をクリックしても正しく機能せず、システムエラーにつながるケース。
特に、クライアントサイドのJavaScriptエラーを引き起こした場合、Error Clicksに分類されます。
エラーメッセージが表示されたり、アクションが失敗としてログに記録されることもあります。
デバイスの種類、要素のテキスト、ブラウザごとに分析することで、より効果的に問題を特定できます。 - 2. Rage Clicks
-
ユーザが同じ要素を短時間(通常1秒以内に3回以上)で連続クリックする現象。
これはユーザのフラストレーションを示し、要素のインタラクティブ性が不明確であることが原因で発生することが多いです。
UXの設計不備や、ユーザの誤解によって引き起こされるケースが一般的です。 - 3. Dead Clicks
-
クリックしても何の反応もないケース。
これは主にUXの問題に起因し、以下のようなケースが典型的です。
- 拡大できそうに見えるが、実際には拡大できない画像
- ハイパーリンクのように見えるが、リンクされていないテキスト
- アクションに紐づいていないボタン
- 4. Thrashed Cursor
-
ユーザがカーソルを前後に素早く動かす現象。
フラストレーションや混乱のサインとされます。
主な原因として以下が挙げられます。
- Webサイトの動作が遅い
- ページレイアウトが分かりにくい
- 読み込み中のスピニングホイール(ローディングアイコン)が表示されている
これらのフラストレーション・メトリクスを監視することで、Catchpoint は企業がユーザ体験の問題を事前に把握し、直帰率の低減や顧客離れの防止をサポートします。
Catchpointポータルでフラストレーション・メトリクスを分析
Catchpointポータルでは、Explorer、RUM Smartboard、Alerts、およびCustom Dashboardsの各ページでフラストレーションメトリックを分析できます。
これらのツールは、問題を効果的に特定して解決するための包括的な洞察を提供します。
Explorer

Explorerでは、フラストレーション・メトリクスを多様な形式で可視化し、複雑なデータを一目で理解しやすくなっています。
可視化の種類には、折れ線グラフ、累積分布関数(CDF)、表、ヒートマップ、棒グラフなどがあり、問題の発生場所や頻度を多角的に分析できます。
また、App Metrics にフラストレーション・メトリクスを含めることで、通常は見逃されがちな問題点を特定し、継続的に監視できます。
RUM Smartboard


RUM Smartboardでは、エラーメッセージのセクションを活用して、問題の分析やデバッグを行うことができます。
この機能により、ユーザが特定の要素を操作した際の詳細なエラー情報を確認し、問題のあるユーザアクションを特定し、改善すべきポイントを明確にできます。
さらに、トレンドパフォーマンスチャートでは、エラーやメトリクスの変化を長期的に把握できます。
問題が繰り返し発生しているのか、悪化しているのか、それとも解決に向かっているのかといった推移を確認できるため、より効果的な改善策を立てることが可能です。
また、トラフィックが増加する時間帯にエラーが急増するなど、特定のパターンを特定しやすくなります。
Alerts

フラストレーション・メトリクスを監視するために、Warning alertsとCritical alertsを設定できます。
- Warning alerts:ユーザの不満が高まり始めた段階で通知し、問題が悪化する前に対応できるようにします。
- Critical alerts:ユーザ体験に深刻な影響を与えるレベルに達した場合に通知し、即座に対応を求めます。
Custom Dashboard

Custom Dashboardでは、視覚的な指標を使ってフラストレーション・メトリクスを素早く把握できます。
色分けされたタイルやデータポイントを利用することで、リアルタイムで問題を追跡し、適切な対応をとることが可能になります。
フラストレーションをチャンスに変える
フラストレーション・メトリクスを活用することで、企業は快適で安定したデジタル体験を提供できます。
Error Clicks、Rage Clicks、Dead Clicks、Thrashed Cursorの発生を未然に防ぐことで、顧客満足度を向上させ、コンバージョン率を高め、ブランドの信頼性を守ることができます。
このプロアクティブなアプローチにより、小さな問題が大きな課題へと発展するのを防ぎ、ユーザの期待に応える快適で安定した体験を提供できます。
さらに、サポートチームへの負担を軽減し、問い合わせ件数を減らすことにもつながります。
フラストレーション・メトリクスを活用することで、リスクを未然に防ぐだけでなく、お客様との関係を強化し、リピーターを増やすことができます。
ユーザのフラストレーションを減らしたいですか?
デモをリクエストするか、下記お問い合わせフォームよりご連絡ください!