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ヘルスチェック

Internet Performance Monitoring: ITのための新しいヘルスチェック

2025年3月18日
著者: Howard Beader
翻訳: 逆井 晶子

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Why Internet Performance Monitoring is the new health check for IT organizations」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


モニタリング(見守り)は、昔から私たちの暮らしの一部です。
私たちは、自分自身やまわりの環境、日々の習慣を観察して、気づきを得て、よりよい行動につなげてきました。
毎年受けている健康診断も、実はその一つです。

目的はシンプルで、「大きな病気になる前に、小さな異変に気づくこと」。
早く気づけば、早く対応できる。
こうした考え方は、昔から変わらない大切な知恵なのです。

個人のモニタリング革命

スマートリングをつけている人の手の写真

現代のテクノロジーは、私たちの「見守る力」を大きく進化させました。
スマートリングやスマートウォッチを使えば、眠りが浅くなったタイミングや、コーヒーをもう一杯飲んだ後に心拍数が上がる瞬間まで、細かくチェックできます。
Apple Watchのような機器では、心電図まで取れてしまうので、まるで「手首につける小さな心電図ラボ」のようです。

これらのツールは、ある意味で私たち自身よりも私たちのことを理解しています。
いつ寝ているか、どれだけ寝返りを打っているか、どれくらい長くソファに座りっぱなしになっているか、そして一日に何歩歩いたかまでも記録します。
これらのデバイスは、もはや単なる高級なガジェットではありません。

毎日の暮らしにそっと寄り添い、私たちの体の声に耳を傾ける「健康アシスタント」のような存在になっています。
その目的はとてもシンプルで力強いものです。
体の小さなサインに気づくことで、「もう少し体を動かそう」「深呼吸してリラックスしよう」など、より健康的な選択ができるようになるのです。

もちろん、体のサインをチェックする習慣は、手首や指先だけの話ではありません。
企業や組織もまた、自分たちのシステムの健全性を守る必要があります。
なぜなら、大事なアプリケーションが止まってしまえば、ビジネスに深刻なダメージを与える可能性があるからです。

デジタルの健康:なぜ組織にモニタリングが必要なのか

パソコンの前で頭を抱える人の図

今日のデジタル環境は複雑であり、最適なパフォーマンスとユーザ満足度を維持するために組織は多くの課題に直面しています。
モニタリングはこの場面での生命線であり、お客様に影響が出る前に問題を検出する鍵なのです。

多くの企業は、長年にわたってApplication Performance Monitoring(APM)を活用し、アプリケーションの状態を常に見守ってきました。
APMツールは、応答時間、エラー率、パフォーマンスのボトルネックなどを記録し、スムーズなユーザ体験の実現を目指します。
しかし、APMは便利である一方で、ユーザ体験に影響を及ぼすすべての要因を把握できるわけではありません。
時には、真の原因がネットワークの混雑やDNSの遅延といったアプリケーション以外の部分にある場合もあります。
そこで登場するのがInternet Performance Monitoring(IPM)です。

Internet Performance Monitoring(IPM)の必要性

IPMは、アプリケーションだけでなく、その基盤となるインターネットインフラストラクチャ、すなわちインターネットスタックも含めた、デジタル体験全体のより包括的な視点を提供します。

The Internet Stack
The Internet Stack

IPMは、ネットワーク状況やDNSパフォーマンスなどを深く掘り下げ、従来のAPMでは見落とされる問題を明らかにします。
これは、ウェアラブルデバイスを使って早期の警告サインを見逃さないことと同じです。

例えば、オンライン販売が収益の柱となっているグローバルなeコマースサイトを例に取りましょう。
APMのデータではすべて順調に見えます。
コードエラーもクラッシュもありません。

それでも、地域によっては、ユーザが決済画面で止まり、購入をあきらめています。
IPMを導入したところ、DNSのルックアップの遅延と特定地域におけるネットワークラグが原因であると判明しました。
その情報をもとに、ネットワークの最適化、CDNサーバの追加、DNS設定の調整を行いました。
その結果、ページの読み込み速度が向上し、顧客満足度が高まり、その結果、売上も自然と伸びていきました。

今後の方向性

今や、IPMがAPMのカバーしきれない部分を補ってくれることは明らかです。
特に、インターネットが新たな企業ネットワークとして急速に重要性を増している現在、その必要性はますます高まっています。
インターネットに依存するアプリケーションやサービスが停止すれば、顧客体験やブランドの評判も同様に損なわれるのです。

では、最適なIPMソリューションをどのように選べば良いのでしょうか?
Catchpointは、CIOやITリーダーがこの変化の激しい分野を見極めるためのInternet Performance Monitoring Buyer’s Guideを作成しました。
このガイドでは、IPMソリューションを選ぶ際にCIOが抱く重要な疑問に答えています。

これらはほんの一例にすぎません。
このガイドには、組織に最も適したIPMソリューションを選ぶためのIPMプラットフォーム評価チェックリストも付属しています。
これは、組織のデジタル環境を健全に保つための定期健診のようなものです。

IPM Buyers Guideを読んで、組織の将来に備えるための洞察、ツール、チェックリストを手に入れましょう。