これが証拠です:最速のWebサイトに共通する点
3秒で惹きつける戦略
2025年4月10日
著者:
Piril Kavlak,
Denton Chikura
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Here’s the proof: What the fastest sites on the web have in common」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
Z世代の60%は、読み込みに時間がかかるWebサイトを利用しようとしません。
現代のデジタル経済では、これは致命的な問題です。
銀行のポータルサイト、旅行アプリ、AIを活用したSaaSプラットフォームなど、どの分野でもユーザは高いパフォーマンスを求めています。
瞬時の読み込み、世界中での安定性、そして滑らかな操作性は、単なる付加価値ではなく、競争に勝つための必須条件です。
Catchpointでは、過去数年間にわたり、HSBCやGoogle Flights、Salesforce、Nikeなど、世界で最も有名なブランドのWeb性能をベンチマークしてきました。
ベンチマークレポートは、銀行、生成AI、航空会社、ホテル、旅行アグリゲーター、スポーツ用品・アパレルといった分野を網羅しています。
これらのレポートは、当社の業界最先端のIPMプラットフォームと、世界中に3,000以上あるGlobal Agent Networkによって支えられています。
このデータ主導の手法によって、最速のWebサイトとそれ以外のサイトを分ける要因を明確に特定することができます。
本ブログでは、最新ベンチマークレポートから得られた主要な知見を紹介します。
最速のWebサイトに共通する6つの特徴と、あらゆる業界の組織がこれらをどのように活用して、より高速で堅牢なデジタル体験を構築できるかについて解説します。
#1. 超高速インフラストラクチャ:DNSとTTFB
共通点の1つは、堅牢なネットワーク基盤です。
DNSの応答が速く、サーバからのレスポンスもスムーズです。
最速のWebサイトは、ユーザのリクエストから最初のバイトが返されるまでの遅延を最小限に抑えています。
- 最適化されたDNS
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最速のWebサイトは、業種にかかわらずDNSの解決時間を非常に短く保っており、多くが50ms未満です。
迅速なDNS検索により、初回リクエストにかかるミリ秒単位の時間が削減され、ページの読み込みが早く始まります。たとえば、2024年のスポーツ用品・アパレルブランドのベンチマークでは、KappaやUnder Armourのような上位ブランドはDNS解決時間が1ms未満で、SkechersやOnも50ms未満に収まっていました。
一方、NikeやVEJAのような低速サイトでは、DNS時間が169~187msと、最速サイトの3倍以上もかかっていました。
この初期遅延は、インフラストラクチャ全体の非効率性の兆候であることが多いです。
私たちの分析では、ほとんどすべての業界において、DNS解決時間が短いサイトほど、ページ全体の読み込み速度も速い傾向が見られました。 - 高速なTTFB(Time to First Byte)
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同様に、最速サイトはバックエンドサーバの応答速度も抜群です。
銀行業界のトップ2のWebサイトはいずれも200ms未満で応答し、ブラウザへの受け渡しが迅速でした。
2025年版 銀行業界Webサイト性能ベンチマークレポート しかし、スポーツアパレル分野では、PumaとUnder Armourのみがその基準を満たしており、それぞれ101msと107msでした。
他の多くのブランドは苦戦しており、Nike、VEJA、KappaのTTFBはいずれも950msを超え、なかでもNikeは最大1.1秒と、推奨値の5倍を超える遅さでした。
こうしたサーバ側の応答遅延は、フロントエンドの最適化やCDNの導入といった他の改善策の効果を打ち消してしまうことが少なくありません。
私たちがベンチマークを行ったすべての業界において、TTFBの速さは総合的なWebパフォーマンスの高さと密接に関連していました。
#2. 世界規模で分散された配信
最速のWebサイトは、単に一国で高速なだけではなく、世界中のユーザに高速な読み込みを提供できるよう、グローバルな配信インフラストラクチャに投資しています。
当社のデータは、CDN(Content Delivery Networks)や地域ごとの最適化を導入することで、地域間におけるパフォーマンスのばらつきを効果的に抑えられることを示しています。
- ローカライズされたCDN
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最先端のサイトは、グローバルに分散されたサーバとCDNエンドポイントを活用して、コンテンツをユーザに近づけています。
たとえば銀行業界では、UBS、ING、HSBCなどの最上位サイトが、ローカルインフラストラクチャと最適化されたDNSルーティングにより、世界中で一貫した体験を実現しています。
対照的に、地域展開のないサイトでは深刻な遅延が発生しており、アフリカや南米では、北米の2倍以上のページ読み込み時間となるケースもありました(あるテストではアフリカでの待ち時間が10.7秒、米国では約5秒でした)。
2025年版 SaaS業界Webサイト性能ベンチマークレポート - どこでも一貫したスピード
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データは、世界中で高速であることがトップクラスのWebサイトの条件であることを裏付けています。
ランクの低いサイトでは地域による性能格差が依然として見られましたが、上位サイトは、アフリカを除き、全世界で高速かつ信頼性の高い体験を提供できることを証明しています。
2025年版銀行業界レポートにおける大陸別のドキュメント完了時間の地域差。
アフリカは他の地域に比べて大きく遅れを取っています。
パフォーマンス比率においても顕著な格差が見られます。
2025年の銀行業界レポートでは、アフリカと南米は北米に比べて文書完了時間が2倍以上かかっていました。
#3. 軽量なページと高速な読み込み
Web上で最速のサイトのもう一つの特徴は、ページが軽量で効率的にコーディングされており、数秒以内に完全に読み込まれることです。
これらのサイトは、ページの表示を遅くする原因となる“余計なデータ”や“複雑な構成”をできるだけなくしています。
- 驚異的な読み込み速度
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最速のサイトは常に2〜3秒以内に完全に読み込まれています。
銀行業界では、25%のサイトしか「3秒未満で読み込み完了」を達成していませんでしたが、上位にランクインした銀行はすべてこの基準を満たしていました。
実際、金融業界の最上位サイトはすべて、2秒未満でページの読み込みを完了し、同時に99.9%の稼働率を維持していました。
同様に、Skyscannerのような旅行サイトは、Largest Contentful Paintが0.7秒未満、完全読み込みが約1.2秒と非常に高速でした。 - 無駄のない構成
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一方で、読み込みが遅いサイトは、重いコンテンツや不要なスクリプトによって足を引っ張られています。
多くの有名ブランドが「重いコンテンツとフロントエンドの複雑さ」により、上位にランクインできませんでした。
これらのサイトは、5〜9秒、あるいはMarriottのように10秒以上かかっていました。
ホテル業界Webサイト性能ベンチマークレポート - 結論
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最速のサイトは、画像の最適化、ファイルの圧縮、サードパーティ要素の抑制などによってページを軽量に保っています。
これにより、ユーザが白い画面のまま待たされることがなくなります。
読み込み完了が速いことで、ユーザの満足度が向上し、直帰率の改善にもつながります。
これは、ユーザ体験の向上とビジネス成果の両方につながるメリットです。
#4. 優れたフロントエンドの最適化とCore Web Vitals
単に読み込みが速いだけでなく、最速のWebサイトは、ユーザにとって「体感的にも速く、安定している」と感じさせる体験を提供しています。
それは、Largest Contentful Paint(LCP)やCumulative Layout Shift(CLS)といったCore Web Vitalsの優秀な数値に現れています。
- 速やかな表示(LCPが良好)
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最速のサイトは、有意義なコンテンツを即座に表示することを重視しています。
Catchpointによる旅行業界テストでは、最速の10サイトすべてがLCPを推奨基準内に抑えており、多くが約1秒未満でした。
たとえば、SkyscannerのLCPは約613msで、10位のサイトでも約1.1秒と、2.5秒のガイドラインを楽にクリアしていました。
つまり、これらのサイトではユーザがページの主要コンテンツをほぼ即座に目にすることができます。
一方で、読み込みが遅いサイトは、LCPが2.5秒を超えることが多く、全体の読み込みが極端に遅くない場合でも、動作がもたついて感じられてしまいます。
旅行業界Webサイト性能ベンチマークレポート - 安定したレイアウト(ページがガタつかない)
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注目すべきデータとして、旅行サイトのトップ10はいずれもCLSスコアが0.00という完璧な結果を示しました。
同様に、上位の銀行サイトや小売サイトも、読み込み中にほとんどレイアウトのズレが発生していませんでした。
実際には、これは広告や画像の遅延読み込みによる「ページの飛び跳ね」が起きないことを意味します。
航空会社Webサイト性能ベンチマークレポート 高速なサイトは、画像やメディア用にあらかじめスペースを確保し、コンテンツを計画的に読み込むことで、安定した表示を実現しています。
一方でパフォーマンスの劣るサイトでは、CLSの値が0.8〜1.5に達し、目に見えて「ガタつく」動きが発生し、ユーザ体験を損なっていました。フロントエンドの体験こそが、Webサイト同士の大きな差別化要因であることは明らかです。
読み込みが速いだけでなく、スムーズに描画され(LCPが低い)、視覚的に安定している(CLSが低い)サイトが、Catchpointのランキングで上位に入りました。
これらのCore Web Vitalsは、総合的なパフォーマンススコアとも強く相関しており、最速のサイトはユーザ中心のフロントエンド指標に注力していることがわかります。
#5. 高い可用性と速度の両立
最先端のWebサイトは、可用性と速度の両立が不可欠であることを理解しています。
常に稼働していても、表示が遅かったりエラーが頻発していては意味がありません。
最速のサイトは、高い稼働率と優れたパフォーマンスを両立させています。
- ほぼ完璧な稼働率
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上位のパフォーマンスを誇るサイトの大多数は、99.9%以上の可用性を維持しています。
2025年の銀行業界ベンチマークでは、サイトの75%が99.9%以上の稼働率を達成しており、トップサイトは事実上常時オンラインでした。
実際、複数の業界でトップに立ったサイトは、テスト期間中にほぼ100%の稼働率を維持していました。
これほど高い信頼性があれば、ユーザがエラーや接続障害に直面することはほとんどありません。
2025年版 銀行業界Webサイト性能ベンチマークレポート - 信頼性とスピード
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重要なのは、最速のサイトが「稼働率が高ければ十分」と考えるのではなく、スピードとの両立をしっかり実現している点です。
ただ稼働しているだけでは意味がなく、ユーザにとって快適で安定した体験を提供できてこそ意味があります。
こうしたサイトは、堅牢なインフラストラクチャに加え、常にパフォーマンスを監視することで、「つながる=高品質な体験」を確実に実現しています。
一方で、稼働率が90%近くまで落ち込んだサイトもあり、当然ながらそれらはランキングの上位には入っていませんでした。 - 結論
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信頼性は基盤であり、真の優秀さは「信頼性+速度」によって証明されます。
ユーザはWebサイトに「利用可能で即応性が高いこと」を求めており、リーダー的なサイトはその期待に常に応えています。
#6. 継続的最適化の文化
スピードは一度達成すれば終わりではありません。
最速のWebサイトは、パフォーマンスの継続的な改善を重視する文化を持っています。
日々の運用の中で、測定と改善を繰り返し、ピーク時のトラフィックにも備えています。
Instacartはその好例です。
スーパーボウル期間中の平均TTFBは1,051msと遅かったものの、試合当日である2月9日、同社の広告が放映されたタイミングでTTFBが大幅に短縮されました。
これは、適切な最適化によって、高トラフィック時でも高性能を実現できることを示しています。
こうした「即時対応力」は、たまたま実現できるものではありません。
業界を問わず、パフォーマンスの高いWebサイトに共通して見られるのは、「継続的に最適化を重ねる文化」です。
パフォーマンスを単なる公開前のチェックリストではなく、日々進化させていく、常に改善を続ける仕組みとして扱う組織は、アクセスの急増やユーザの期待、想定外の事態にも柔軟に対応できます。
結論:スピードは戦略である
傾向は明らかです。
最速のWebサイトは、バックエンドインフラストラクチャからフロントエンドの磨き上げ、グローバル配信から高い稼働率まで、あらゆるレベルでパフォーマンスに投資しています。
そして、その根底には継続的改善という哲学があります。
これらのサイトは、3秒未満の読み込み、滑らかなページ表示、信頼性のあるサービスによって、ユーザを魅了することが可能であると証明しています。
一方、それらを怠った競合サイトは、読み込み遅延、不安定な表示、地域的な障害により、大きな不利を抱えることになります。
朗報は、これらのベストプラクティスはすでに広く理解されているということです。
ベンチマークレポートが示しているように、トップサイトはこれらの取り組みをより的確に実行しており、その結果、優れたユーザ体験を実現しています。
DNSやCDNの効果的な活用、軽量なページ設計、Core Web Vitalsへの注力といった共通の工夫を取り入れることで、どのWebサイトでもパフォーマンスを大きく向上させることが可能です。
データが示す通り、Webサイトは「ただ使える」だけでは不十分で、どこからアクセスしても「高速であること」が求められる時代です。
最速のサイトはその新たな基準をすでに示しており、他のサイトにもその水準への対応を促しています。
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