従来のツールでは見逃されていたWi-Fi障害の診断:ケーススタディ
著者: Payal Chakraborty
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Diagnosing Wi-Fi failures that traditional tools miss: a case study」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
あるグローバル航空会社では、ネットワークインフラストラクチャに明確な障害が見当たらないにもかかわらず、Google Meetの接続問題が継続的に発生していました。
アプリケーション性能管理(APM:Application Performance Monitoring)ツールではネットワーク経路の可視化はできていましたが、ローカルな異常は検出できていませんでした。
一方、Catchpointのエンドポイント監視の結果、Wi-Fiチャネル44(5GHz帯)における局所的なパフォーマンス低下が明確になりました。
このチャネルでは、最適範囲である-30~-50 dBmに対し、信号強度が-80 dBmまで低下していました。
Wi-Fiチャネルの性能とアプリケーション応答時間の相関が判明したことで、迅速な問題解決とインフラストラクチャ最適化の判断が可能になりました。
Google Meetに関して航空会社はどのような問題に直面していたか
航空会社のITチームは、通話の切断や音声品質の低下など、Google Meetのパフォーマンスに関するユーザからの苦情が繰り返し寄せられていました。
初期のネットワーク診断では、インフラストラクチャ上の明確な問題は確認されず、根本原因に結びつく有効な手がかりが得られませんでした。
CiscoのSplunkやThousandEyesのようなツールでは、ユーザ体験の問題を個々のWi-Fi性能特性まで掘り下げて把握することができませんでした。
その結果、標準的なツールだけでは原因の特定に至らず、航空会社のITチームはユーザの苦情に対して有効な対応を取れずにいました。
エンドポイント監視はどのようにWi-Fiデータの収集に利用されたか。
概念実証(PoC:Proof of Concept)の実施期間中、複数のマシンにエンドポイントエージェントがインストールされ、以下のような詳細なWi-Fiテレメトリが収集されました。
- Wi-Fiのチャネルおよび帯域情報
- 信号強度(dBm)の測定値
- 接続の安定性や品質を示す指標
- Google Meetに特化したアプリケーション応答時間
Catchpointのエンドポイントテレメトリにより、Wi-Fi性能とユーザ体験を直接関連付けることが可能になりました。
これは、従来の監視ツールでは実現できなかったことです。
デバイスレベルで信号強度やチャネル使用状況といった指標を取得することで、従来は検出できなかったさまざまなネットワーク条件下でのパターンが明らかになりました。
Wi-Fi性能データから何が明らかになったのか
監視の結果、Wi-Fi帯域間で顕著な性能差があることが判明しました。
2.4GHz帯は5GHz帯と比べて一貫して強い信号強度を示しており、5GHz帯では高周波数ゆえの環境干渉の影響を受けていることが確認されました。
- チャネル44(5GHz帯)
- Google Meetの応答時間が明らかに遅延していました。
- 2.4GHzのチャネル
- 信号強度が改善され、ユーザからの苦情も減少していました。
弱いWi-Fi信号強度はGoogle Meetにどのような影響を与えたか
信号強度の分析により、以下の重要なパフォーマンス閾値が示されました。
- 優良な範囲
- -30~-50 dBm
- 性能が低下する閾値
- -70 dBm以下
- 接続問題発生時の最小値
- -80 dBm
24日に会議の問題を経験した特定のユーザでは、信号強度が-80 dBmまで低下しており、許容可能な性能閾値を大きく下回っていました。
Wi-Fi信号とアプリケーション性能の相関
Wi-Fi信号強度とGoogle Meetの応答時間の間に、直接的な相関関係が確認されました。
チャネル44(5GHz)を利用していたユーザでは、信号強度の低下と一致する形でパフォーマンスの劣化が発生していました。
なぜ5GHzのWi-Fiはオフィス環境で脆弱になりやすいのか
収集されたデータにより、5GHz Wi-Fiに関する一般的な特性が確認されました。
- 2.4GHzと比較して通信距離が短い。
- 干渉の影響を受けやすい。
- 物理的な障害物が多い環境では性能が低下する。
- アクセスポイントから離れると有効性が低下する。
複数の壁や障害物が存在するオフィス環境では、これらの特性が接続品質に大きな影響を与えます。
通信距離の短さと干渉への弱さにより、5GHzはこのオフィスの物理的レイアウトに適していないことが明らかになり、より適切なインフラストラクチャ計画の必要性が示されました。
エンドポイントの可視性はどのようなビジネス上の効果をもたらしたか
詳細なWi-Fiの可視化により、次のようなビジネス上の効果が得られました。
- プロアクティブな問題特定
- ユーザから苦情が寄せられる前に問題を検知できました。
- 迅速な根本原因分析
- Wi-Fiの状態とアプリケーション性能との直接的な相関を把握できました。
- 的確な改善対応
- 特定のチャネルや場所に基づいた最適化を実施できました。
- インフラストラクチャ計画の高度化
- データに基づいたアクセスポイント配置の判断が可能になりました。
Catchpointは従来の監視ツールと比べてどのように優れているか。
このケースからITチームは何を学べますか。
この事例は、以下のようなエンタープライズ環境において、エンドポイントレベルのWi-Fi監視が持つ価値を示しています。
- アプリケーション性能の問題が、従来の監視では見えないインフラストラクチャ起因の要因によって発生する場合がある。
- 詳細なWi-Fiテレメトリにより、接続ボトルネックを迅速に診断できる。
- Wi-Fi条件とアプリケーション性能をリアルタイムで関連付けることで、インフラストラクチャ最適化に向けた実行可能な洞察が得られる。
- エンドポイントからクラウドまで、接続スタック全体の可視性が効果的なトラブルシューティングに不可欠である。
同様の問題を防ぐために組織はどのような対策を取るべきか。
本事例の知見に基づき、組織は以下を検討すべきです。
- Wi-Fi固有のテレメトリ収集を行うエンドポイント監視の導入
- 事前検知のための信号強度閾値の設定
- 実際の利用パターンに基づくアクセスポイント配置の最適化
- Wi-Fi性能と重要アプリケーション指標を結び付ける相関ダッシュボードの構築
ここで示された体系的なWi-Fi性能分析アプローチは、従来の監視手法では見逃されがちな接続問題を特定し、解決するための枠組みを提供します。
ユーザに影響を与えているWi-Fiの死角を明らかにしませんか。
エンドポイントからクラウドまでのエンドツーエンドの可視性を、Catchpointがどのように提供するのかをご紹介します。