SEOからAEOへ:WebパフォーマンスがAI検索成功の鍵となる理由
著者: Piril Kavlak
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「From SEO to AEO: Why Web Performance Is the Key to AI Search Success」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
検索は、かつてのものとは異なっています。
人々がオンラインで情報を見つける方法が変化しています。
今や多くのユーザーが、検索結果をひとつずつ確認するのではなく、ChatGPTやPerplexityといったAIに調査を委ねるようになっています。
Semrushによる1,000万件以上の検索クエリの分析によると、2025年3月にはGoogleのデスクトップ検索のうち13.1%がAI概要を表示しており、これは1月の6%強から倍増しています。
一方、Gartnerは2026年までに全検索トラフィックの4分の1がAIアシスタント経由になると予測しており、ChatGPTだけでも毎週4億人以上のユーザーが利用しています。
つまり、これらのAIからコンテンツとして引用・推薦されること(Answer Engine Optimization:AEO、またはGenerative Engine Optimization:GEOとも呼ばれます)は、ブランドの可視性を維持するための重要な施策となっています。
ユーザーがAIに質問した際に、あなたのコンテンツが「信頼できる回答」として選ばれることが求められるのです。
ところが、Search Engine Landが約8,000件のAIによる引用元を分析した結果、この分野の引用傾向が非常に断片的であることが明らかになりました。
- ChatGPTは、主にWikipediaやRedditといった大規模な情報サイトを参照しています。
- Perplexityは、ニュースメディアや専門的なブログなど、より多様な情報源に依存しています。
- RedditやQuoraのほか、Googleは公式情報源や信頼されたドメインからの情報も取り入れています。
結論は?
AIに引用される仕組みは明確ではなく、どこで何が取り上げられるかを完全に把握するのは簡単ではありません。
しかし、1つだけ変わらないことがあります。
Webパフォーマンスは今も重要であるということです。
Webサイトが高速で安定して信頼できなければ、引用される可能性は下がります。
AIシステムは複数の情報源を参照し、パフォーマンスはページが回答に含まれるかどうかを左右する要因の1つとなります。
SEO vs AEO:共通する基礎と新たな課題
SEOがなくなることはありません。
高品質なコンテンツ、適切なキーワードの使用、構造化データ、Core Web Vitalsといった基本は引き続き重要です。
しかし、AEOではハードルが上がります。
- AIアシスタントの回答数は限られています。
- 従来の検索結果が10件のリンクを表示するのに対し、AIでは1~2件しか表示されないこともあります。引用されるには、その中に入る必要があります。
- AIクローラーは選択的です。
- 多くが軽量なクローリングを行っており、重いJavaScriptは実行されず、読み込みが遅いコンテンツも待ってくれません。
- ゼロクリック検索が現実となっています。
- 従来のSEOでは、サイトへのクリックが成果の指標でした。
しかしAEOでは、ユーザーはAIの画面内で回答を得ることが一般的で、ページを訪れることはありません。
つまり、ランキングされることよりも「引用」されることがブランドの可視性に直結します。
AI検索でパフォーマンスが重要な理由
AIに見つけてもらうには、パフォーマンスは「おまけ」ではなく「前提条件」です。
その理由は以下の通りです。
- スピード = 可視性
- GoogleはすでにSEOランキングにスピードを加味しています。
AIが即時に回答を返すためには、高速なレスポンスが欠かせず、Webサイトのスピードはより重要視されます。
遅いサイトは検討対象外となる可能性があります。 - 安定性 = 信頼性
- 滑らかで安定したレンダリングを行うサイトはユーザーの関心を引き、AIシステムに品質のシグナルを送ります。
- グローバル対応 = 包括性
- AI検索は世界中から行われます。
ローカルだけで高速なサイトでは、グローバルな回答に含まれないリスクがあります。
CatchpointのBanking Website Benchmark Reportによると、稼働率がほぼ完璧であったにもかかわらず、3秒以内にページを表示できた銀行はわずか4行に1行でした。
彼らが評価されたのは、単に稼働していたからではなく、あらゆる地域で安定したスピードを維持していたからです。
そしてこの傾向は銀行業界に限りません。
私たちの業界別ベンチマークレポートでは、小売、SaaS、旅行業界でも同様の傾向が見られます。
SEOおよびAEOのためのWebサイトパフォーマンス最適化方法
Webパフォーマンスの最適化は、従来のSEOとAI向けSEO(AEO)の両方にとって重要です。
以下は、Webサイトのパフォーマンスを向上させるためのロードマップです。
1.パフォーマンスを継続的に測定・監視する
測定しなければ、改善することはできません。
まずはWebPageTestを使用して、地域・デバイス・ネットワークごとにサイトのスピードと応答性をベンチマークしましょう。
パフォーマンス指標を追跡するテストを実施し、代表的な利用シナリオを検証して潜在的な問題を特定します。
リアルユーザーモニタリングとシンセティックテストを組み合わせることで、Webサイト全体の状態を多角的に把握できます。
このアプローチにより、実際のユーザー体験を確認できるだけでなく、制御された環境で問題を先回りして発見できます。
目標は、Webサイトのパフォーマンスを24時間365日監視し、小さな遅延を重大な問題に発展する前に修正することです。
プロアクティブなテストと実世界のデータの両立を図るチームには、WebPageTestのExpertプランが、シンセティックとリアルユーザーモニタリング(RUM)を統合して、完全な可視性を提供します。
2.よくある原因を解決する
- サーバ応答(TTFB)
- Time to First Byte(TTFB)は、リクエスト送信後にサーバが応答を開始するまでの時間です。
ここが遅ければ、その後すべてが遅くなります。
バックエンド処理の高速化、積極的なキャッシュ、CDNの使用によりレイテンシを削減しましょう。 - サイズの大きなファイル
- 画像を圧縮し、WebPやAVIFなどの最新フォーマットに切り替え、画面外のコンテンツは遅延読み込みにしましょう。
- レンダリングを妨げるリソース
- WebPageTestのウォーターフォールチャートを見れば、どのCSSやJavaScriptファイルが最初の描画を遅らせているかを特定できます。
このチャートは、すべてのリソースの読み込み順序を可視化するため、何が描画を妨げているのかを一目で把握でき、パフォーマンスエンジニアに好まれています。
問題のリソースを特定したら、非クリティカルなスクリプトにはdeferやasync属性を使い、クリティカルなCSSはインライン化して、コンテンツの表示を早めましょう。
2025年8月7日に、アムステルダムからChromeを使用して実行された、ある大手ストリーミングプラットフォームのWebPageTestウォーターフォールチャート - サードパーティスクリプト
- 広告、アナリティクス、ウィジェットなどは頻繁に監査しましょう。
これらがパフォーマンスを妨げることがあります。 - Core Web Vitals
- Largest Contentful Paint(LCP)、Cumulative Layout Shift(CLS)、応答性(INP)に注力しましょう。
これらは単なるSEOシグナルではなく、AIにとってもフレンドリーなサイトを実現する鍵となります。
3.基盤を忘れない
DNSルックアップ、CDNルーティング、TLSハンドシェイクなどは、サイトの読み込み速度に大きく影響します。
DNSの応答が遅いと、AIの回答から完全に除外される可能性もあります。
DNSは多くの人が考えている以上に大きな役割を果たしています。
より深く学びたい方は、9月24日開催のウェビナー「Beyond SEO: How DNS Impacts AI Search and Web Performance」にご参加ください。
Matthew Bowes氏(Metamend)とTerry Bernstein氏(IBM NS1 Connect)を迎え、DNSとパフォーマンスがどのように連携して、AI主導の検索における可視性を形成しているかを探ります。
4.継続的に監視し、改善を続ける
Webパフォーマンスは一度対処して終わるものではありません。
新しいスクリプト、画像、デザイン変更のたびに、パフォーマンスのバランスが崩れる可能性があります。
シンセティック + RUMによる継続的な監視と、スマートなアラート設定により、体験や検索順位に影響する前に問題を特定・修正できます。
まとめ
SEOは終わっていません ―― 進化しています。
AEO時代では、Webサイトが瞬時に見つかり、ユーザーに優れた体験を提供することが不可欠です。
高品質で信頼性の高いコンテンツと、スピーディーで安定したページを両立させることで、AIによる検索結果で優先的に取り上げられる可能性が高まります。
AI検索はしばしば変化するブラックボックスのように感じられるかもしれません。
しかし、パフォーマンスは自らがコントロールできる要素です。
あらゆる観点からパフォーマンスを測定し、ボトルネックを解消し、継続的に監視することで、検索順位とブランドの可視性をAI主導の検索環境でも守ることができます。
さらに詳しく知りたい方へ
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最も高速なサイトに共通する特徴とは?
業界別ベンチマークレポートから得られた知見を紹介した、最新のブログ記事をご覧ください。 - ウェビナーに登録:「Beyond SEO: How DNS Impacts AI Search and Web Performance」
登壇者:Matthew Bowes氏(Metamend)、Terry Bernstein氏(IBM NS1 Connect) - サイトを長期的に高速かつ堅牢に保つためのベストプラクティスを知りたい方は、Web Performance Monitoring Guideをご参照ください。