Needletailアップデート
SLO監視やECN対応など魅力的な機能を追加
2023年8月31日
翻訳: 竹洞 陽一郎
このリリースは、時速170キロにも達すると言われる高速の鳥、ハリオアマツバメにちなんで名付けられました。
ハリオアマツバメは中央アジアと南シベリアで繁殖し、冬になると南へ移動します。
尾の先端にトゲがあり、喉に白い斑点があることからこの名がつきました。
インターネットソナー GA
以前のリリースでは、Internet Weatherの限定プレビューを発表しました。
この新製品は、お客様が信頼しているサードパーティ・サービスで発生した障害を検出するのに役立ちます。
Internet Sonar を使用すると、Catchpointチームの専門知識を活用して、DNS、CDN、ホスティングおよびクラウドプロバイダ、API、セキュリティ、その他多数の主要サービスの停止を特定することができます。
これにより、監視戦略の複雑さが軽減され、可視性が高まり、問題の根本原因を速く突き止めることができます。
プレビュー中に貴重なフィードバックを収集した結果、Internet SonarはGA (一般利用可能) になりました。
このリリースでの改善点は以下の通りです。
- より多くのサービスを追加し、クラウドのリージョンとサブサービスの停止を識別
- より速く、より信頼性の高い障害検出
- ユーザビリティの改善と不具合の修正
SLO GA
大規模な開発、テスト、改良を経て、SLO監視機能が正式にGA(一般利用可能)となり、全てのお客様にご利用いただけるようになりました!
SLO監視では、パフォーマンス目標を定義し、テストに適用することで、サービスがSLAで定義された目標を満たしているかどうかを簡単に追跡することができます。
SLO は、テストがパフォーマンス閾値を違反していた分数を、評価対象期間全体に対する割合として計算します。
SLO モニタリングの主な機能は以下のとおりです。
- 可用性またはテスト時間の観点から、SLOに対するテストパフォーマンスを監視します。
- 違反条件を正確に定義
- 1つのビューで最大3つの異なる時間枠を表示
プレビューおよびベータ期間中にお寄せいただいた貴重なご意見とご見識に感謝いたします。
このようなご意見は、SLO監視を現在の状態に改良する上で大きな力となりました。
SLO監視を開始するには、SLOドキュメンテーションを御覧ください。
支援が必要だったり、質問がある場合には、Spelldataのサポート窓口にご連絡下さい。
トレーシング(限定公開)
サーバレスアーキテクチャ、コンテナ、仮想マシンにまたがる分散アプリケーションのエンドツーエンドの監視を提供するトレースの限定プレビューを発表できることを嬉しく思います。
トレーシングは、データベース、キャッシュ、キュー、ストリームなどのサービスと関連リソース間のすべての相互作用に関するきめ細かな情報を提供することによって、アプリケーションの動作を理解することができます。
この機能にご興味がある場合は、Spelldataの営業窓口にお問い合わせください。
Ping - 連続測定
障害の中には、断続的で一度に数秒しか続かないものがあり、比較的頻度の低いプローブでは検出が困難な場合があります。
Ping監視の新しい連続測定オプションを使用すると、200ms、500ms、または 1000ms毎にリソースの健全性をチェックできます。
ネットワーク・パフォーマンスが低下している場合、Continuous Pingを設定してトレースルートを実行し、ネットワーク・パスの詳細を追加でキャプチャできます。
これは、ネットワークの問題のトラブルシューティングに役立ちます。トレースルートは、[Debug on Error(エラー時にデバッグ)]オプションを使用して、テスト失敗時またはパケット損失が大きい場合に実行するように設定することも、追加のモニターとして1分ごとに1回実行するように設定することもできます。
連続測定オプションは、Pingテストで使用できるほか、EnterpriseノードでPing監視を使用したノード間テストでも使用できます。
この機能は、エージェントのアップデートに依存します。
エンタープライズノードは、Needletailエージェントのリリース後に最新バージョンにアップデートする必要があります。
Traceroute - 明示的輻輳通知(ECN)のサポート
クラウドゲームやクラウドレンダリングVR/ARなど、遅延に非常に敏感なアプリケーション向けに設計された低遅延、低損失、スケーラブルなスループット(L4S)技術の普及により、ECN(明示的輻輳通知)分野が新たな重要性を帯びてきました。
従来、TCP/IPネットワークはパケットをドロップすることで輻輳を通知していました。
ECNが正常にネゴシエートされると、ECN対応ルーターはIPヘッダーにフラグを設定し、パケットをドロップするのではなく、輻輳が迫っていることを知らせます。
今回の更新により、トレースルートの開始時に使用するECNの値をトレースルート・モニターで指定できるようになりました。
ECN値は各ホップでキャプチャされ、ECN値の変更を検出します。
このオプションは、テストのプロパティ・ページ内のAdvanced Settingsで有効にできます。
この機能は、エージェントのアップデートに依存します。
エンタープライズノードは、Needletailエージェントのリリース後に最新バージョンにアップデートする必要があります。
AzureからのTraceroute
AzureベースのノードからTraceroute監視を実行して、ネットワーク・パフォーマンスをキャプチャし、潜在的な問題を検出できるようになりました。
Tracerouteは、増分TTLでプローブパケットを送信し、受信したパケットに基づいてメトリックをキャプチャすることによって動作します。
現在、AzureマシンからICMP、UDP、TCP、およびInSessionトレースルートを実行できます。
この機能はエージェントのアップデートに依存しており、リリース後に段階的にパブリックノードにロールアウトされます。
Enterpriseノード Lite版
CatchpointのEnterpriseノードは、アプリケーションやネットワークのさまざまなコンポーネントをアクティブに監視する強力な方法を提供します。
例えば、データセンターやクラウド環境に配備して、一般公開されていないアプリケーション・リリースをテストしたり、パブリック・ノードがアクセスできない場所に配備してプライベート・ネットワークをテストしたりすることができます。
新しいEnterprise Node Lightエディションは非常に軽量で柔軟性が高いため、幅広いネットワーク環境や場所に簡単に導入できます。
たとえば、オフィスや小売店のネットワークの監視を担当している場合、新しいEnterprise Nodeは、ネットワーキングハードウェア上にコンテナとして展開できるため、各拠点に追加のハードウェアを展開することなく、ネットワークの健全性を把握するためのコスト効率の高い方法となります。
この機能にご興味がある場合は、Spelldataの営業窓口にお問い合わせください。
RUMおよびエンドポイントアラートのリマインダー頻度
CatchpointのRUMおよびエンドポイントアラートが更新され、Syntheticアラートと同様にアラートのリマインダー頻度が追加されました。
これにより、警告およびクリティカルアラートのリマインダー頻度をデフォルト(Never)および最大(Daily)から選択できるようになりました。
リマインダーの頻度は、アラートのプロパティブレードで利用可能なドロップダウンリストから選択できます。
追加機能
- Explorerで、RUMデータを秒単位および分単位で表示できるようになりました。
- アカウント・アクティビティ・ページがSymphony UIに追加され、表に記載された各試験の「最終更新日」列が含まれるようになりました。対応する REST API v2 エンドポイントは、次のリリースで(毎日のアクティビティを取得する機能を含む)一致するように更新される予定です。
- シングルオブジェクトテストとJavaScript APIテストは、AgentのアップデートでHTTP/3をサポートします。