IPMを極める:ベストプラクティス・シリーズのまとめ
IPMの重要なポイントを振り返る
2024年5月13日
翻訳: 島田 麻里子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Mastering IPM: Key Takeaways from our Best Practices Series」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
「IPMを極める」ブログ・シリーズを終了するにあたり、共有した豊富なインサイトを振り返ってみましょう。
インターネット・スタックの重要なレイヤーの掘り下げからデータ分析の複雑なナビゲートまで、各回はインターネット・パフォーマンス・モニタリング (IPM) によるデジタル体験の最適化に関する貴重な視点を提供してきました。
では、このシリーズから重要なポイントを抽出してみましょう。
1. インターネットは新たなネットワーク
本連載は、インターネットの時代における監視の概念を再定義することから始まりました。
クラウドによってデータセンターが再構築され、SaaSによってアプリケーション・スタックが再定義されたように、アプリケーション・デリバリーのメカニズムが変化していることを強調しました。
この変化は、インターネットそのものという新しい企業ネットワークの監視の必要性を強調しています。
しかし、インターネットは、見出しを飾る頻繁な障害によって証明されているように、魔法のようにレジリエンスがあるわけではありません。
アプリケーションからエンド・ユーザまで、すべてのインターネット・スタック層にわたって可視性を確保する包括的なインターネット・パフォーマンス・モニタリング(IPM)戦略が必要です。
このレベルのインサイトは、レジリエンスのあるインターネットの運用に依存している組織にとって極めて重要です。
ですから、現在の監視設定が以下の質問に答えられない場合は、リセットの時です。
- 何か問題があるのか?
- ネットワーク、ミドルマイル、アプリケーションのどのレイヤーが影響を受けるのか?
- どの地域が影響を受けるのか?
- 影響はどの程度に及ぶのか、それはユーザベースの一部に影響するのか、それともすべてに影響するのか
- 収益、コンバージョン、訪問者数などのビジネスKPIへの影響は?
「インターネット・パフォーマンス・モニタリングの習得:ベストプラクティス・シリーズ」をお読みください。
2. 重要なことを重要な場所から監視する必要がある
シリーズ2回目の投稿では、ITにおける効果的な監視には、内部システムだけに焦点を当てるのではなく、エンドユーザ体験を優先させるという視点の転換が必要であることを強調しました。
なぜでしょうか?ネットワーク全体が「グリーン」に見えても、ユーザが接続できないことがあります。
それは、ユーザが異なる地理的位置から、異なる経路で、異なるリソースを使用してシステムにアクセスしているためです。
つまり、自社だけでなく、ユーザにとって何が重要かを監視しなければならないのです。
Adobeの最近の障害をケーススタディとして、インターネット・スタックの相互接続コンポーネントがエンドユーザ体験にどのような影響を与えるか、また、プロアクティブなIPMアプローチが真のアプリケーション可用性をどのように実現するかを紹介しました。
「IPMを極める:重要なことを重要な場所から監視する」をお読みください。
3. CXのための強固なIPM戦略が不可欠
第3回目は、カスタマー・エクスペリエンス(CX)の向上におけるIPMの重要な役割を取り上げました。
基本的なレベルでは、サービスは稼働していなければなりません。
いったんサービスが利用可能になれば、ユーザはそれが高速であることを期待します。
次に、ユーザが世界中どこからでもサービスにアクセスできるようにするか、少なくともターゲット市場内のすべての地域からアクセスできるようにしなければなりません。
そして最後に、Webサイトはその可用性、パフォーマンス、到達可能性において一貫していなければなりません。
この投稿では、IPM CXスイートの例を取り上げ、著名なファイル共有企業のケーススタディに見られるように、このようなセットアップがいかに迅速な障害検知を促進し、平均検知時間(MTTD)を短縮し、障害への迅速な対処を支援するかを説明しました。
「IPMを極める:不可欠な顧客体験監視フレームワーク」をお読みください。
4. SLAの管理を独立した裁定者に委ねる
この記事では、SLA、SLO、SLIを解明しました。
独立した客観的なIPMデータがいかにSLOの追跡を強化し、ユーザ体験と戦略的意思決定に直接的な影響を与えるかを強調しています。
契約合意(SLA)に明確なパフォーマンス目標(SLO)を設定し、具体的な測定基準(SLI)を使用してコンプライアンスを測定することで、組織はサービス品質と説明責任を維持することができます。
この記事では、効果的なSLOの設定方法を紹介するだけでなく、Catchpointの統合ダッシュボードが、サービス品質の維持と収益の確保に欠かせないSLO監視の合理化を促進していることも紹介しています。
「IPMを極める:SLA監視で収益を守る」をお読みください。
5. APIのレジリエンスに関しては、出る杭は打たれる
この回では、APIトランザクションの複雑さ、APIのレジリエンスの重要な性質、そして機能的な中断からセキュリティの脆弱性に至るまで、APIの障害がもたらす結果について焦点を当てました。
APIの可用性を超えて機能的な稼働時間を検証する必要性、APIの依存関係を監視する必要性、CI/CDパイプライン内でのテストの自動化、プロアクティブなアラート機能を備えたツールの選択など、API監視の基本的なガイドを取り上げました。
「IPMを極める:デジタル・レジリエンスのためのAPI監視」をお読みください。
6. オブザーバビリティ・データは、それを活用する能力がなければ意味がない
IPMを極めるシリーズの最終回は、オブザーバビリティの分析と可視化の世界を深く掘り下げました。
オブザーバビリティのための分析ツールを選択する際に考慮すべきデータ分析の基本原則について考察しました。
主なポイントとしては、詳細な分析のために、集約されていない生データに直接アクセスする必要性と、包括的なデータ可視化オプションを提供するツールの選択が挙げられます。
この記事では、ダッシュボード、スマートボード、エクスプローラ、カスタム可視化オプションなど、Catchpointの可視化機能について詳しく説明し、これらのツールによってユーザがいかに効率的にデータを分析し、意味のあるインサイトを導き出せるかを実証しています。
「IPMを極める:データ分析のナビゲーション」をお読みください。
総括
「IPMを極める」シリーズでは、IPMの複雑さを理解する旅に出かけ、インターネット・レジリエンスを確保し、デジタル体験を最適化するために不可欠な重要なプラクティス、ツール、戦略を探ってきました。
顧客体験監視、SLA、SLOのニュアンスの解明からAPI監視のベストプラクティスまで、IPMを使いこなすための貴重なインサイトと実行可能な戦略を提供できれば幸いです。