スピードの必要性: IBMとCatchpointのグローバルDNSパフォーマンス研究からのハイライト
DNSパフォーマンス、その真実
2024年11月22日
著者: Denton Chikura
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「The Need for Speed: Highlights from IBM and Catchpoint’s Global DNS Performance Study」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
DNSはインターネット接続の基盤であるにもかかわらず、そのパフォーマンスを測定する信頼性の高い指標が十分に整備されていません。
このギャップにより、ITチームは業界標準と比較して自社のDNS設定を適切に評価することができず、暗中模索の状態に置かれています。
この差し迫った課題に対処するために、CatchpointはIBM NS1 Connectと協力し、DNSパフォーマンスをデータに基づいて可視化しました。
このコラボレーションは、最もアクセス数の多いウェブサイトの一部からのデータを使用して、DNSが「現実世界」でどのように機能するかを明らかにし、世界中のDNSパフォーマンスを分析することを目的としました。
調査: 方法論とアプローチ
この調査は、世界中で上位2,271にランクされるウェブサイトを対象としました。
この多様なサンプル群は、業界をリードするグローバルオブザーバビリティネットワークと堅牢なDNS監視機能を使用してテストされました。
以下はその主な結果です:
1. DNSパフォーマンスのベンチマーク
調査対象の2,271件のウェブサイトにおける平均DNS応答時間は263ミリ秒でした。
このグローバル平均は、多様なインターネット環境における典型的なDNSパフォーマンスを理解するためのベンチマークとなります。
しかし、この平均には地域ごとに大きなばらつきが見られます。
2. 地域ごとに大きく異なるDNSパフォーマンス
調査によると、地域ごとのDNSパフォーマンスには大きな違いがあり、大陸ごとに異なる結果を示しています。
- 北米とヨーロッパは、DNSサーバの密度が高いため応答時間が速い傾向があります。
- アジア、南米、オセアニアでは、距離が長いことや近隣にDNSサーバが少ないことが影響し、応答時間が遅くなる傾向があります。
これらの違いは、地理的条件とインフラがDNSパフォーマンスに与える影響を強調しています。
ITチームは、DNSパフォーマンスを評価する際にこれらの要素を考慮し、地域ごとに最適化された戦略を立てるべきです。
3. マネージドDNSとセルフホスト型DNSの比較
最も顕著な違いの1つは、セルフホスト型DNS設定とマネージドDNSサービスの間に見られました。
- セルフホスト型DNSは、平均的なグローバル応答時間より35%遅く、その差は141ミリ秒でした。
- マネージドDNSプロバイダと比較すると、セルフホスト型DNSはグローバル平均より41%、IBM NS1 Connectと比較すると60%も遅れを取っていました。
データからは、セルフホスト型の制御がパフォーマンスの低下を補うものではないことが示されており、多くの企業にとって、マネージドDNSの方が運用効率やパフォーマンスの観点で優れていることがわかります。
レポートには、「多くの企業が接続全体を管理したいという理由でDNSをセルフホスト化していますが、私たちのデータは明確に、パフォーマンス面でその投資が報われていないことを示しています」と記されています。
したがって、マネージドDNSソリューションを選択することが、独自運用に比べて効果的な選択肢であると考えられます。
4. 全てのマネージドDNSサービスが同じパフォーマンスを発揮するわけではない
調査ではDNSプロバイダ間にも大きなパフォーマンス差があることがわかり、企業がベンダーを慎重に評価する必要があることが強調されました。
- IBM NS1 Connectがリーダーとして台頭し、グローバル平均よりも39%高速な応答時間を記録しました。
- Vercara UltraDNSはこれに続き、35%速い結果を示しました。
- Cloudflare DNSは、グローバル平均を16%上回る性能で3位に入りました。
一方、AWS Route 53とAkamai Edge DNSはグローバル平均を下回り、AWSは9%遅く、Akamaiは24%遅い結果となりました。
5. トラフィック量に関する誤解
最もトラフィックが多く、最も洗練されたネットワークを持つウェブサイトは、常に優れたDNSパフォーマンスを示すと予想されるかもしれません。
驚くべきことに、DNS応答時間の分布は予想よりも均一でした。
- トラフィックの多いWebサイトは、アクセスの少ないWebサイトよりも常にパフォーマンスが優れているわけではありません。
- 一部の一流のウェブサイトは遅れをとっていましたが、多くの下位のウェブサイトは非常に優れたパフォーマンスを発揮しました。
DNSの応答時間が1,000ミリ秒を下回ったと報告した企業はわずか23社で、そのほとんどがセルフホスト型DNSソリューションを使用していました。
これらの結果はすべて、DNS戦略を策定する際にビジネスにとって何を意味するのでしょうか?
DNSのパフォーマンスはどのようにベンチマークされたのでしょうか?
私たちのテストは、現在使用されている他のDNSパフォーマンス測定とどのように比較されるのでしょうか?
詳細については、レポートをダウンロードしてください(登録不要)。