リスクの高まり、利益率の低下:2025年インターネットレジリエンスレポート
2025年4月8日
著者:
Leo Vasiliou, Denton Chikura
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Escalating risk, shrinking margins: The 2025 Internet Resilience Report」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
2024年にCatchpointが最初にインターネットレジリエンスレポートを発表した時点で、主要企業のデジタル基盤に不安な兆候が現れていました。
CrowdStrikeの障害を覚えていますか?
そして今年に入り、状況はさらに深刻化しています。
Google Cloudの最近の障害は、インターネットがいかに緊密に結びついており、主要な1社が停止するだけで世界中の何千もの企業に影響を与えるかを改めて示す出来事となりました。
今回のレポート作成にあたり、約500人のグローバルビジネスリーダーから得たデータを数か月かけて深く分析しました。
2025年版のインターネットレジリエンスレポートは、デジタルパフォーマンスの責任者にとって見過ごせない重要な洞察とトレンドを明らかにしています。
ここでは、私たちの目を引いたポイント、その重要性、そして取るべきアクションについてご紹介します。
今年のレポートからの5つの重要なポイント
データは一つの明確な事実を示しています:パフォーマンスは、可用性と同等に重視される存在になっています。
この変化により、経営層レベルでのレジリエンス戦略が見直されています。
- #1 財務的損失が拡大
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現在、企業の半数以上(51%)が、インターネットの障害によって月に100万ドル以上の損失を被っています。
さらに8社に1社(12.5%)が、月に1000万ドルを超える損失を報告しています。
レポートの言葉を借りれば、「これは単なるダウンタイムではありません。損害なのです。」 - #2 高速なパフォーマンスが新たな稼働基準に
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今年のレポートでパフォーマンスが重視されているのは、企業のレジリエンスに対する考え方が変わりつつあることの表れです。
73%の企業が、高いパフォーマンスのデジタル体験を「譲れない条件」と考えています。
さらに42%は、「アプリが遅いなら、それは停止しているも同然」と回答しています。 - #3 AIに観測性の問題がある
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AIという言葉は広く浸透していますが、私たちの調査は重大な盲点を明らかにしました。

企業の57%は、AI主導のアプリケーションに問題が発生した際、その問題を即座に検知しています。
しかし、約半数はAIのパフォーマンスをリアルタイムで可視化できていません。 - #4 サードパーティ依存は依然として重大なリスク
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74%の企業がサードパーティプロバイダーに強く依存しており、多くの企業がこれら外部リスクを効果的に管理するための可視性を持っていません。

サードパーティに対する盲点は、依然としてレジリエンスにとって深刻なリスクとなっています。 - #5 特化型ツールの選択が鍵に
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汎用的な監視ツールは、もはや十分ではありません。
多くの企業(73%)が、汎用的なツールではなく、デジタル体験に特化した監視ツールを積極的に活用しています。
注目すべき年ごとの変化
このレポートを毎年実施する利点の一つは、データの推移を追える点にあります。
今年は特に注目すべき3つの明確な傾向が浮かび上がりました。
- 影響が増大
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2024年には、43%の企業が毎月100万ドル以上の損害を報告していましたが、2025年には51%にまで増加しています。
レジリエンスは単なるリスク管理ではなく、事業存続の中核となっています。 - 深刻度が上昇
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1000万ドル以上の損害を被る企業の割合は、昨年の9%から今年は約12.5%に上昇しています。
被害の深刻さは増し、レジリエンスを確保する重要性は飛躍的に高まっています。 - 依存状況は横ばい(ただし依然としてリスクあり)
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サードパーティへの依存度は高いままで、77%からわずかに74%に減少しただけです。
これは、外部監視の強化が必要であることを示しています。
これらは単なるスプレッドシート上の変化ではありません。
Google Cloudの障害は、見えない外部依存が、どれほど突然かつ深刻に顧客体験を損なうかを浮き彫りにしました。
能動的な外部監視と、明確な体験レベル目標(Experience-Level Objective, XLOs)が、これまで以上に重要になっています。
業界は新たな現実に気づき始めています。
遅い状態は、事実上の停止と同じです。
遅いWebサイトやアプリケーションは、ユーザーを苛立たせるだけでなく、収益を奪い、評判を損ないます。
— Catchpoint CEO Mehdi Daoudi
レポートからの実践的な推奨事項
レポート全文では、より深い洞察と推奨事項が提供されていますが、まず取り組むべきインパクトの大きいステップは以下の通りです。
- 体験レベル目標を明確に定義する
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内部の稼働時間目標だけに頼るのはやめましょう。
ユーザの体験を基準に指標を定義してください。
Webサイトが遅く感じられるなら、ユーザにとっては使えないも同然です。 - AIの観測性を真剣に見直す
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レポートでは、企業の57%がAIの不具合を即座に検知できている一方、残りはユーザからの苦情で初めて問題を知ります。
AIがビジネスの重要な部分を担っているなら、問題を素早く検知できる体制を整えるべきです。
リアルタイムでAIパフォーマンスを監視できる、最高品質のソリューションへの投資は必須です。 - 上位10件のサードパーティ通信を監査する
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74%のリーダーが、外部サービスを「非常に重要」または「極めて重要」と評価しています。
依存している外部APIやCDNを把握し、それぞれに対して基本的なヘルスチェックを設定しましょう。
今後の展望
より詳細な内容については、インターネットレジリエンスレポート2025年版をダウンロードしてください。
パフォーマンス、可用性、観測性に関する業界ベンチマーク、実際に機能している(あるいは機能していない)施策のインサイト、そして次なる障害に備えるための、測定可能で検証可能なレジリエンス構築のための推奨事項を掲載しています。