
インターネット・レジリエンスの隠れた課題: 2024年レポートの重要な洞察
インターネットレジリエンスで未来を守る
2025年1月27日
著者: Denton Chikura
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「The hidden challenges of Internet Resilience: Key insights from 2024 report」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
私たちの初となるインターネットレジリエンスレポート 2024 は、レジリエンスを単なるITの課題として扱う余地が、もはや企業にはないことを明らかにしました。
北米とEMEAにおける300を超えるデジタルビジネスリーダーからの回答の結果、調査では、調査対象となった組織のほぼ半数が、障害やサービスの低下により、総経済効果(TEI)に関して月間100万ドル以上を失っていることが明らかになりました。
以前の投稿では、レポートの主要なポイントについて説明しました。
このブログでは、レポートから新たに得られた調査結果を詳しく紹介し、現代のデジタルビジネス運営において、レジリエンスがどれほど重要で深く組み込まれるべきかをお伝えします。
主な調査結果
1. レジリエンスは一時の対応ではなく、継続的な取り組みである
調査結果によると、インターネットのレジリエンスは一時的な修正ではなく、継続的な監視と改善が必要な課題です。
その重要性にもかかわらず、「お客様」と「インターネット」は、ビジネス運営で最もレジリエンスが欠けている要素として挙げられました。
これらは成功に必要不可欠であり、その欠如が問題を深刻化させます。

ITチームへのプレッシャーを高めているのは、サードパーティへの依存性の増加です(これについては後述します)。
これらのサービスは通常、社内のITチームの管理範囲外であるため、継続的な監視と迅速な対応がレジリエンス確保のために不可欠となっています。
修復にかかる平均所要時間(MTTR)が長引くほど、支払いリスク、信頼の喪失、そして全体的な顧客の不満が高まります。
2. サードパーティへの依存度がレジリエンスを左右する

77%の回答者が、サードパーティプロバイダーがレジリエンスの成功に極めて重要または非常に重要であると回答しており、クラウドプラットフォームからDNSサービスまで、これらの依存関係はレジリエンス戦略の成否を左右する可能性があります。
しかし、Application Performance Monitoring(APM)などの従来のツールでは、問題の原因を十分に特定することができません。
レポートが強調しているように、重要なことは、オブザーバビリティを単なるツールではなく、外部サービスがカスタマーエクスペリエンスにどのように影響するかを完全に可視化する機能として扱うことです。
Adrian Bridgwater氏(※)は、「クラウド用のオブザーバビリティプラットフォームについて議論する中で、デジタルの利便性を高めるためには、アプリケーションのサプライチェーンの重要な一部としてWebそのものを評価する必要があります。」と述べています。
※訳注: Adrian Bridgwater氏は、30年以上の経験を持つ技術系ジャーナリストです。
TECHREPUBLICやTechTargetなどのメディアにも寄稿しています。
サードパーティ依存度の監視における3つのベストプラクティス
- サードパーティ依存度をインターネット・レジリエンスの計画書と運用手順書に組み込む。
- CDN、マネージドDNS、バックボーンISPおよびその他のサードパーティベンダーを含むエンゲージメントルールを作成する。
- IPMを通じて得られた情報をできるだけ早く共有して、可能な限り迅速に問題を共同で解決する。
3. レジリエンスにはコストがかかるが、障害の代償はさらに高い
調査によると、インターネット・レジリエンス・プログラムの実施における最大の障害はコストであり、51%の回答者が主な課題と答えました。
しかし、レジリエンスのコストは、事前に支払うか、障害が発生した後に多額の費用を支払うかの違いです。

明らかに、インターネットレジリエンスを達成するための課題は多岐にわたり複雑であり、これらの障害を克服することは困難です。
そのため、レポートでは次のように推奨しています。
「内部および外部ネットワークを監視するのは、単にデータを収集するためではありません。
代わりに、重要なものを監視してください。
ユーザーの視点から、インターネットスタック内のすべてのコンポーネントのグローバルな影響を理解することから始めましょう。」
人材不足も課題
さらに重要な発見として、回答者の40%が、インターネット・レジリエンス・プログラムを成功させるための人材やスキルの獲得が大きな障壁であると回答しました。
この課題は、2023年のSREレポートでも確認されており、人材関連の問題(採用、定着、適応)が、アーキテクチャの複雑さやツールの乱立といった他の懸念を上回るトップの障害として挙げられていました。

ブラックフライデーのようなショッピングのピーク期間には、Webトラフィックが急増し、対応が難しい場合があります。
このため、チェックアウトが応答しなくなったり、カートが放棄されたり、ページの読み込みが遅くなるなど、収益に大きく影響を与える問題が発生します。
そこで、Catchpointのインターネット・レジリエンス・プログラムが登場します。
Catchpointのインターネット・レジリエンス・プログラム
Catchpointのインターネット・レジリエンス・プログラムは、製品の発売、ショッピングのピーク時、ブラックフライデー、サイバーマンデーなど、当社のレポートで取り上げた課題に企業が正確に対処できるように設計されています。
その仕組みは次のとおりです。
- 1. IPMプラットフォームと専任のパフォーマンスチーム
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主要なイベントの2週間前とその後に、Catchpointの主要なIPMプラットフォームと専任パフォーマンスチームの専門知識を利用することができます。
このチームは、お客様と緊密に連携して、お客様のニーズに合わせて最適なテスト戦略を設定し、トラフィックの多い期間に備えます。 - 2. リアルタイムの問題検出と解決
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プログラム期間中、弊社のエキスパートチームがお客様のアプリケーションとWebサイトを24時間365日継続的に監視します。
潜在的な問題を迅速に特定し、報告し、トラブルシューティングを行い、解決して、カスタマーエクスペリエンスとビジネスを保護します。 - 3. イベント後の包括的な分析
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イベント後には、監視データを詳細に分析し、主要競合他社とのベンチマークを提供します。
また、パフォーマンス最適化のための推奨事項を含む包括的なレポートも提供します。
「Catchpointのインターネット・レジリエンス・プログラムは、トップブランドとの10年以上の経験を活かし、最高水準のチームと技術を結集したプログラムです」と、Catchpointのカスタマーエクスペリエンス&テクニカルサービス担当シニアバイスプレジデントであるHussain Peeran氏は述べています。
「私たちは毎年、重要なシステムを保護し、平均して十数件の潜在的な重大インシデントを未然に防いでいます。
厳格な予防監視がなければ、これらの脅威は数百万ドル規模の深刻なビジネスへの影響を与えたでしょう。」
インターネットレジリエンスレポートや、Catchpointを活用したインターネットレジリエンス確保についての詳細は以下をご覧ください。
- 完全版レポートのダウンロード
- インターネット・レジリエンス・プログラムの詳細を見る
- トラフィックが多いときにウェブサイトを準備する方法のヒントについては、私たちの電子書籍をダウンロードしてください。