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Internet Resilient

なぜインターネット・レジリエンスにこだわる必要があるのか?

2023年5月19日
翻訳: 島田 麻里子

この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事Why should you care about Internet Resilience?の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。


ITプロフェッショナルは、自社の顧客と従業員のためにインターネット・レジリエンスを確保する必要があります。
しかし、その意味するところは何なのでしょうか。
また、多くのことがコントロールできない中で、デジタルデリバリーチェーンのすべてを監視するにはどうしたらよいのでしょうか。

その答えは、「インターネットパフォーマンス監視(IPM)」です。

インターネット・レジリエンスについて、本当に必要なことは何でしょうか。

CatchpointとITOps Timesは、インターネット・レジリエンスを確保するために理解すべき最も重要な6つのトピックを、1回10分以内のマイクロウェビナーシリーズとして、隔週でお届けしています。

シリーズの各トピックを紹介します。

  1. (本記事)なぜインターネット・レジリエンスにこだわる必要があるのか?
  2. IPMの紹介:どのように役立つのか?
  3. インターネット・レジリエンスは、eコマース事業者がより多くの収益を上げるためにどのように役立つのか?
  4. 企業はどのようにしてネットワークとAPIのパフォーマンスを向上させることができるのか?
  5. 企業はどのようにして従業員のデジタル体験を向上させることができるのか?
  6. Webサイトのコンバージョンを改善するにはどうすればよいのか?

では、最初のトピックに飛び込んでみましょう!

なぜインターネット・レジリエンスにこだわる必要があるのか?

Catchpoint社CEO兼共同創業者のMehdi Daoudiメディ ダオディ氏とのライブQ&A動画、もしくは以下の書き起こしをご覧ください。

動画内容の書き起こし

Dave Rubinstein

皆さん、ようこそ。
ITOps Timesの編集長、Dave Rubinsteinです。
これはITOps Times Liveマイクロウェビナーシリーズで、インターネット・レジリエンスについて知っておくべきことをお話しします。

今日は、Mehdi Daoudiさんにお越しいただきました。
彼はインターネットパフォーマンス監視の企業であるCatchpointのCEOを務めています。
ようこそMehdi、本日はありがとうございます。

Mehdi Daoudi
お招きいただき、本当にありがとうございます。
またお話しできて光栄です。
Dave Rubinstein
はい、パンデミックからしばらく経ちますが、いつも楽しくお話させてもらっています。
さて今回は、そうですね、今日のインターネットがどうなっているのか、というところから始めませんか?
どのように進化してきたのか、以前の時代とどう違うのか、とかね。
Mehdi Daoudi

そうですね、まず言えるのは、私たちを失望させるようなことはなかったということでしょうか。
我々はパンデミックという、インターネット上で最も大きなストレステスト環境の一つから抜け出したと言えるでしょう。
そして、とても幸せに思いますね。

インターネットはそのレジリエントである(回復力がある)という期待に応え、膨大な負荷に耐えうる能力を発揮していると思います。
考えてみれば、我々は一夜にしてビデオ会議やZoomなどの様々な機能を追加し、一日中ストリーミングするようになりました。

まずは、これを文字通り日々実現している人たちに、大きな賛辞を送ります。
海底にケーブルを設置する人たち、世界中に素晴らしい体験を2〜3年間、完璧に届けてくれた通信会社の人たちです。
彼らに敬意を表するべきでしょう。

インターネットを商品のように考えるのは避けたいですよね、電話みたいなもので、取るのが当たり前、使うのが当たり前です。
考えてみれば、とても壊れやすいものなのです。

そう、英国では数日前に大規模な障害が発生したばかりです。
大手ISPでは、数カ月前にカナダで障害が発生しました。
こうしたことはまだ起こっているのです。

インターネットはまだ非常に脆弱ですが、全体的に見ればまあまあの結果を出しています。

学校教育や医者、遠隔医療といったことを考えると、インターネットは進化していたのですけどね。
こういったことは、もう昔のようには戻れませんよね?
しかしそのためには、より速く、より良く、より多く、よりレジリエントに、より良い可用性、より良い到達性を提供するインターネットが必要です。

また、例えばスターリンクのような新しい技術の進歩も見られます。
Amazonもこのビジネスに参入し、文字通りインターネットを転送してくれるようになりました。
そして、この先には驚くべきことが待っています。

スターリンクやAmazonの機能を使えば、携帯電話が自動的に衛星インターネットに切り替わるので、携帯電話のデッドスポットがなくなりますから、これは素晴らしいことです。

私はとても羨ましい。
5年後、10年後に子供たちがどんな遊びをするのか、ずっと羨ましく思っているんです。

Dave Rubinstein

いやぁ、たくさんのお話がありますね。

インターネットに依存してビジネスを行っている会社であれば、多くの事柄が実際には自分たちのコントロール外で起こっているように感じるかもしれません。
では、障害や、ビジネスに影響を与え大きな損失をもたらす可能性のある事象には、どのように対処すれば良いのでしょうか。
企業は何をすることができるのでしょうか。

Mehdi Daoudi

どの会社も他の何かに依存しています。
航空会社であれば、空港に運ばれるジェット燃料に依存していますし、軍隊であれば、軍が行動を起こす際の人々に食糧供給や、水、トイレといった物資の輸送など、ロジスティクスの悪夢のようなことがあります。
結局のところ、これらの問題はすべて物流の課題なのです。

インターネットについては、それを壊れる可能性のある商品や資源のように扱う必要があり、いつでも準備ができている必要があります。
つまり、何か障害が発生した場合に備えて、プランを持っている必要があります。
通信計画、バックアップ、顧客を失望させないために必要なことのリストなど、障害が発生した場合の計画を準備しておけばいいのです。

お客様を尊重すること。
彼らの時間を尊重し、代替案が必要な場合は代替案を提供することです。
でも、それは素晴らしいことなのです。

Dave Rubinstein
あなたの話し声が少し途切れていたので、それこそインターネットに関係しているのかなと思ったのですが。
Mehdi Daoudi
どうなんでしょう?私のオーディオのせいかもしれません。
他のシステムに切り替えてみます。
今、私の声が聞こえますか?
Dave Rubinstein
ええ、いい感じです。
Mehdi Daoudi

そうです、これがレジリエンスです。
私も念のために2つのヘッドホンを持っています。
なぜなら、私たちが言うように、物事は起こりますからね。

バックアッププランを持っていることが非常に重要だと思います。
それがレジリエンス、つまり回復力の本質だと思います。

レジリエンスとは、打撃に対処し、可能な限り早く立ち直り、回復する能力です。
それが全てのビジネスが必要とするものです。

例えば、パンデミック期間中に非常にうまくやっていた企業は、バックアッププランを持っていた企業であり、非常に機敏に行動していた企業です。
彼らは店舗を閉じませんでした。
彼らは単にオンラインで何か違ったことをした、または違った方法を用いました。

だから、レジリエンスとは、可能な限り早く問題に対処する能力を持つことだと私は思います。

Dave Rubinstein

その通りです。

インターネットをユーティリティのように考えるなら、例えばここニューヨーク州のロングアイランドでは、ひどい暴風に見舞われることが多く、何日も停電することがありますよね?
しかし、知っている通り多くの人が発電機を持っていて、それにプラグを差し込めば、そのまま生活し続けることができます。
これもレジリエンスの一部と言えるでしょう。

それなら、あるクラウドプロバイダと契約していて、そのうちの1つのエリアが停電した場合、別のところに飛び移れるというバックアップがあるということですよね?

Mehdi Daoudi

もちろん、もちろんです。
様々なレベルの洗練された対策を取ることができます。

例えば、あなたの友人が持っている発電機は1台かもしれないし、15台かもしれない、あるいは太陽光発電とディーゼル発電機を持っているかもしれない。
デジタルワークスペースや、私たちのお客さまが暮らす世界では、例えば、1つのベンダーに依存することはできません。
すべての卵を1つのバスケットに入れることはできないのです。

複数のコンテンツ配信ネットワークを持つ、複数のクラウドプロバイダを持つ。
しかし同時に、これらのことは非常に高いコストを伴います。
それはインフラのコストや、AWS、Google、Microsoft Azureの請求を支払うだけの問題ではありません。

これら3つの環境を運用するための人材育成をするコストもありますね。
決して安くはありませんが、24時間365日稼働することに生活のすべてがかかっているとしたら……週7日。
それがビジネスを行うためのコストなのです。

Dave Rubinstein

はい、それは確かです。
いいですね。

インターネットパフォーマンス監視について、そしてあなた方がそれをどのように行っているのかを少し教えてください。

Mehdi Daoudi

なぜこのようなことが重要なのかというと、私たちが会社を立ち上げたときから持っている基本的な信念のいくつかに通じるのですが、「顧客体験こそが製品である」ということです。

結局のところ、ひどいユーザ体験やカスタマー体験を抱えていれば、顧客を失うことになる。
これは、誰もが同意できる基本的な真理です。

第二の点としては、技術的な話ではないのですが、マーケティングミックスに戻ると、そこには価格(price)、製品(product)、プロモーション(promotion)、配置(placement)がありますが、さらにもう一つ「P」があり、それがパフォーマンスです。
つまり、価格、製品、場所、プロモーションに加えて、人々はパフォーマンスについて考える必要があります。
それは極めて重要なことです。

また、人々の期待値は指数関数的に増大しています。
Webサイトの読み込みやオンラインで何かを予約するのに、10秒も待つことをいとわない人を見つけることができるでしょうか。

それは※Ticketmasterでの問題を見れば明らかですよね。
Webサイトが遅くてクラッシュするだけで、上院の公聴会に出席しなければならなくなることは避けたいですよね。
C-SPAN(政治専門のケーブルチャンネル)で恥をかかされたときのレジリエンスプランというのはないと思うんです。

※訳注…Ticketmasterはアメリカのチケット販売会社。
2022年11月に歌手テイラー・スウィフトのツアーチケットの先行販売を行った際、アクセス集中のためサイトがパンクし、多くのファンがチケットを購入できなかった。
米議員により、Ticketmasterの市場独占が問題の背景にあると指摘され、議論に発展した。

インターネットは複雑です。
あなたと私は何年も前にこの話をしたことがありますが、インターネットは一連の管で構成されています。
それらの管は非常に壊れやすく、今では海中ケーブルのようにサメに襲われるようなものも追加されています。

そのようなものばかりです。

この複雑さは指数関数的な速度で増大しています。
Catchpointでは、お客様がインターネット上で何が起こっているのかの全体像を描くことができるよう支援することを試みています。
なぜなら、インターネットとは様々なものの集合体だからです。

それはあなたのDNSプロバイダであり、コンテンツ配信ネットワークであり、クラウドプロバイダです。
今日のあらゆるWebサイトを考えてみてください、モバイルブラウザやデスクトップのブラウザに表示される美しいWebページの背後には、恐らく2から1000のリクエストが存在します。
Webページがその役割を果たすためには、ミリ秒単位で完璧に調整された2000の事象が生じなければなりません。

そして私たちの仕事は、お客様が次の問いを解決するのを手助けすることです。

問題はインターネット上にあるのか?
もしそうなら、それはどこにあるのか?
ネットワークの問題なのか?
プロバイダの問題なのか?
クラウドプロバイダの問題なのか?

そうして、問題がどこにあるのかがわかれば、できるだけ早くビジネスに戻り、レジリエントになることができます。

人間の体に関して言えば、頭痛がある場合、その原因は様々なものが考えられます。
できるだけ早く原因を絞り込んで、できるだけ早く適切な治療を始められるようにしたいものです。

インターネットパフォーマンス監視で行っているのは、このようなことです。
そして今日、全てがインターネット上で運営されているという事実を、私たちはもう無視することはできません。
パンデミックが起こったことで、その扉が開かれました。

5年前にはコンピュータを理解できなかった85歳の父親が、オンラインで商品を注文するようになりました。
それは、他に選択肢がないからです。

Dave Rubinstein

いやぁ、その通り、まったくもってそうですね。

さて、CatchPointのCEOであるMehdi Daoudiさん、今日はお時間をいただきありがとうございました。
素晴らしい会話でした。
これは私たちの6部作「インターネット・レジリエンス」の素晴らしいスタートになりました。

また私たちの会話を聞きたい皆さん、 4月20日午後1時からは、Catchpoint社のCMOであるGerardo Dada氏と、IPMの導入とそれがあなたの組織にどのように役立つかについて話をする予定です。
それではまた次回まで、ITOps Timesの編集長、Dave Rubinsteinでした。

それではまた、Mehdiさん。
ありがとうございました。
お話できて嬉しかったです。

Mehdi Daoudi
ありがとうございました。